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【開催報告】第69回定例朝食会「世界認知症ヤングリーダーが語る、グローバルレベルの認知症の最新課題と認識~認知症にやさしい地域づくりとは~」(2018年5月31日)

【開催報告】第69回定例朝食会「世界認知症ヤングリーダーが語る、グローバルレベルの認知症の最新課題と認識~認知症にやさしい地域づくりとは~」(2018年5月31日)

2013年にロンドンで開催されたG8(現G7)認知症サミットをうけて設立された世界認知症審議会(WDC: World Dementia Council)の第12回会合が、2018年3月、WDCおよび当機構の共催によって開催されました。また、WDC会合の開催に合わせて、WDC、日本経済新聞社、Financial Timesそして当機構による「第1回日英認知症会議」も開催され、日英の知見の共有と国際的な認知症研究における産官学の連携体制(PPP)の構築と活用について議論がなされました。
今回の朝食会は、世界認知症ヤングリーダーズ(WDYL:World Dementia Young Leaders)の1人として東京での世界認知症審議会(WDC: World Dementia Council)会合にも参加され、また、WDC会合サイドイベント「第1回日英認知症会議」にも登壇された東京都医学総合研究所 主席研究員の中西 三春氏をお招きしました。


冒頭、当機構 シニアアソシエイトの栗田 駿一郎より、WDC第12回東京会合および、第1回日英認知症会議の報告をいたしました。

講演の概要

■世界認知症ヤングリーダーズとは
WDC第12回東京会合(以降WDC東京会合)では、2018年10月の5周年記念サミットに向けて優先すべきことを話し合い、「啓発(Awareness)」、「ケア(Care)」、「研究(Research)」、「リスクの軽減(Risk reduction)」という4つの優先領域を決めた。このWDC東京会合に、自身は世界認知症ヤングリーダーズ(以降、ヤングリーダーズ)の一員として参加した。ヤングリーダーズはWDCの準会員であり、約130名が名を連ね、国際ネットワークを基盤にさまざまな活動をしている。

■グローバルレベルの認知症の最新課題と認識
2017年7月、ロンドンにおいて米国アルツハイマー協会の大会が開催された際、ランセットが「Lancet Commission paper」を発表し、BBCや日本のメディアでも紹介された。この「Lancet Commission paper」は、これまでの認知症に関する研究知見、今後すべきことを集約したものであり、WDC東京会合や第1回日英認知症会議でも引用された。本論文では、認知症に関する最新課題や論点として、以下がまとめられている。

1. 認知症の人の数が世界的に増加
2. 予防、児童期の教育、中高年期の難聴・高血圧・肥満、老年期の喫煙・うつ・身体不活動・社会的孤立・糖尿病
3. 認知(機能)症状への治療
4. 個別化された認知症ケア
5. 家族介護者へのケア
6. 将来に備えた計画
7. 権利擁護と保護
8. 神経精神症状(行動心理症状)の管理
9. 終末期ケア
10. テクノロジー

■認知症にやさしい社会づくり推進のために行っている研究
前述の「Lancet Commission paper」で主要な領域のうち、自身が主に研究している「4.個別化された認知症ケア」「7.権利擁護と保護」「8.神経精神症状(行動心理症状)の管理」「9.終末期ケア」について紹介する。

認知症にやさしい社会をつくるうえで、個別化された認知症ケアが重要だと考えている。ケアの質向上に寄与するための研究として、居宅介護サービス、地域密着型サービスのケアの質、従来型特別養護老人ホームのグループケアなどを調査してきた。また権利擁護と保護に関連し、家庭内の高齢者虐待への対応状況や一般急性期に係る身体拘束の実態把握をしている。神経精神症状(行動心理症状)の管理についてはケアのプログラムを開発し効果検証を実施した。
終末期ケアに関しては、認知症が進行すると痛みを言語で表現できなくなることもあり、疼痛管理が適切に行われない問題があり、このような方の終末期ケアが最近注目を浴びている。こうした背景から、認知症ケアにおいて緩和ケアを積極的に実践するための国際共同研究にも取り組んできた。

今後も、認知症ヤングリーダーズの一員として、国際的なネットワークや他メンバーのさまざまな専門性を活かし、従来の研究環境では難しい独創的なアイデア・活動を生みだしていきたい。認定症において、このような国際的な活動は貴重であり、研究者の立場でヤングリーダーズの活動にどう貢献できるのか、他のメンバーと協働の道筋を見つけていきたいと思っている。


■中西 三春 氏
東京都医学総合研究所 心の健康プロジェクト 精神保健看護研究室 主任研究員。主に認知症ケアに関する政策研究を実施。 近年は国家の認知症施策に関する国際比較を行っている。 また、2017年8月には東京都委託事業で開発した認知症の行動心理症状に対する在宅での心理社会的ケアプログラムの効果を実証した論文を発表している。 現在、世界認知症ヤングリーダーズの一員として活躍している。

■世界認知症審議会(WDC: World Dementia Council)とは
WDCは、ロンドンを拠点とし、国際的に活動している独立・非営利の団体で、当機構代表理事の黒川 清を含む、世界各国のあらゆるセクターのメンバーが参画している。世界において認知症対策を促進するための原動力になるべく、国際的なアドボカシー活動、グローバルレベルのリーダーシップおよびネットワークの構築を中心に活動している。

WDCについての詳細情報は、WDCホームページでご確認ください。

 

 

 

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