【政策提言】リプロダクティブヘルス/ライツ・プラットフォーム構築に関する政策提言 ~全ての人が教育・相談の機会を得られる社会の実現を目指して~(2023年1月10日)
日付:2023年1月10日
タグ: 女性の健康
日本医療政策機構 女性の健康プロジェクトでは、これからの未来を担う若い人たちが性と生殖に関する健康と権利(SRHR: Sexual and Reproductive Health and Rights)に関する正しい知識を得られ、また医療への受診や相談が気軽にできる社会の実現を目指し、2021年より「リプロダクティブヘルス/ライツ・プラットフォーム “Youth Terrace(ユーステラス)”の構築」プロジェクトを立ち上げました。このプラットフォーム事業をはじめ、これまでの長年の女性の健康プロジェクトの活動で得られた知見を基に、日本におけるリプロダクティブヘルス/ライツ・プラットフォームの在るべき姿に関する政策提言を策定しています。
【エグゼクティブサマリー】
視点 1:日本における時代のニーズに応じた包括的性教育の教育機会の拡充と、社会全体のSRHR に関する理解を促進する必要性
- 学校教育での性教育の内容を、国際セクシュアリティ教育ガイダンスの内容に沿ったものに充実させる
- 学校教育で充実した包括的性教育を実施するために、教員養成課程の SRHR に関するカリキュラムと教員への研修機会を拡充する
- 教育機関と連携し家庭や地域住民を対象とした SRHR の研修機会を創出する
- 主たる相談機関となりうる医療機関において、より当事者の視点に立った医療サービスの提供を目的として、医療者の養成課程での SRHR の教育機会を拡充させる。さらに、医療従事者に対する卒後研修の機会も充実させる
視点 2:誰もが生涯を通して SRHR に関する正しい情報を得られ、必要に応じて悩みを相談できる場を拡充する必要性
- 就労後もライフステージに応じて SRHR に関する正しい知識が継続して得られ、必要に応じて相談ができるサポート体制を充実させる
- 就労後の継続した SRHR のサポート体制を後押しするために、産業保健分野における SRHR に関する議論を促進させる。具体的には、企業が SRHR に関する相談窓口の設置や研修等を実施することに対するインセンティブの必要性などが含まれる
- 公的機関からの SRHR の情報発信は、時代のニーズに合わせ、インターネット上のメディアや SNS 等のツールを積極的に活用し、影響力の強いコンテンツと協働することで SRHR の無関心層への啓発を強化する
視点 3:SRHR の充実した性教育の実施、および、効果的な啓発活動や継続的な相談窓口の設置を可能にする長期的な経済的支援の必要性
- SRHR に関して充実した性教育の実施には、全国での性教育や研修機会の均てん化が重要であり、性教育の実施実態や研修実施状況の把握を目的とした調査の実施と、その結果に伴い明らかになった介入に対して継続的な予算の確保を行う
- SRHR の啓発や相談窓口の設置において、より当事者のニーズに合ったサービス提供可能にするためには、公的組織の運営だけではなく民間団体や企業内の活動を拡充することが必要である。そのような官民連携活動を後押しすると同時に、それらに対する継続的な経済的支援を拡充させる
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