【プレスリリース】G20の安全保障課題 ―抗菌薬市場とAMR―(2019年10月16日)
日付:2019年10月16日
タグ: AMR

AMRアライアンス・ジャパン
報道関係者各位
G20の安全保障課題
―抗菌薬市場とAMR―
AMRアライアンス・ジャパンは2019年10月7日に、「緊急フォーラム 抗菌薬の安定供給と抗菌薬市場の危機~G20に求められる世界規模での官民パートナーシップ~」を開催し、本フォーラムでの議論を報告書として取りまとめました。
AMR対策においては抗菌薬の適正使用が重要となりますが、昨今、その前提となる抗菌薬の供給が不安定となり、感染症治療や周術期感染の予防などの基本的な診療行為に問題が生じています。一方で、現在流通している多くの医薬品は世界各国に広がる医薬品製造所に依存している状況であり、一国の努力では医薬品の安定供給の問題には対処できません。さらに、抗菌薬については、市場性や採算予見性の低さゆえ、国内外で市場が崩壊しており、新たな抗菌薬の研究開発はもとより、既存の抗菌薬の安定供給という使命さえ果たすことが難しい状況です。この産業構造を含めた世界共通の危機的状況を安全保障の課題として認識し、打開する糸口を見つけなければ、AMRによる年間死亡者数が2050年には1,000万人にまで上昇する可能性があります。
首脳レベルでは、2019年6月のG20大阪サミットにおける首脳宣言*において、AMRに対する世界的な取組みであるワン・ヘルス・アプローチに基づく努力を推進すべきという意志が盛り込まれるとともに、「抗菌薬の管理とアクセスを促進するために更なる行動をとるべきである」との認識が共有されました。AMRアライアンス・ジャパンは、本報告書において、抗菌薬の安定供給と市場のあり方についてのG20保健大臣らによる具体的な議論と行動を求めています。
*”G20 Osaka Leaders’ Declaration” Ministry of Foreign Affairs of Japan, https://g20.org/pdf/documents/en/FINAL_G20_Osaka_Leaders_Declaration.pdf
【AMRアライアンス・ジャパンについて】
AMRアライアンス・ジャパンは、AMR対策の推進により公衆衛生を向上させることを目的として、国内感染症関連学会、医薬品・医療機器関連企業等が2018年11月に設立した、AMR対策をマルチステークホルダーで議論するための独立したプラットフォームです。構成メンバーは、日本化学療法学会、日本感染症学会、日本臨床微生物学会、日本環境感染学会、日本薬学会、日本医療薬学会、日本 TDM 学会、日本医真菌学会、日本小児感染症学会、MSD 株式会社、塩野義製薬株式会社、日本製薬工業協会、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社、ファイザー株式会社、知ろう小児医療守ろう子ども達の会及び特定非営利活動法人日本医療政策機構(事務局)です。
■AMRアライアンス・ジャパン 事務局(https://www.amralliancejapan.org/)
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ3 階
Tel: 03-4243-7156 Fax: 03-4243-7378 E-mail: info@hgpi.org(担当:McEnany、柴田、坊野、菅原)
調査・提言ランキング
- 【当事者の声】薬剤耐性 伊東幸子氏 非結核性抗酸菌症(2022年3月18日)
- 【政策提言】「がんゲノム医療」への患者アクセスの改善に向けて(2023年8月10日)
- 【政策提言】プラネタリーヘルスの視点から考える2023年UHC政治宣言に対する期待(2023年9月8日)
- 【調査報告】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」
- 【緊急提言】少子化時代における我が国の産科医療体制のあり方について(2023年9月15日)
- 【調査報告】メンタルヘルスに関する世論調査(2022年8月12日)
- 【調査報告】「社会経済的要因と女性の健康に関する調査提言」(2023年3月6日)
- 【出版報告】「各都道府県における循環器病対策推進計画の展開と発展に向けて~課題と好事例から考える循環器病対策~」(2023年9月7日)
- 【お知らせ】パンデミック予防・備え・対応に関する国連ハイレベル会合におけるアクションを求める公開書簡に署名(2023年9月12日)
- 【お知らせ】「COP28開催まで100日:大気汚染を議題に盛り込むよう緊急要請する公開書簡」に署名(2023年9月4日)