【お知らせ】「薬剤耐性(AMR)の脅威の高まりに対応するための実践的な打ち手の要求」に賛同(2024年5月1日)
日付:2024年6月25日
タグ: AMR
日本医療政策機構 薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)チームは、2024年5月1日、政策提言「薬剤耐性(AMR)の脅威の高まりに対応するための実践的な打ち手の要求」に賛同いたしました。
本提言は、2024年9月に開催予定のAMRに関する国連総会ハイレベル会合を見据え、国連加盟国に対し、人間・動物・環境を一体として考えるワンヘルス・アプローチ(One Health)に基づく実践的かつ測定可能なAMR対策の打ち手に同意するよう要求するものです。今後の優先事項としては、以下10項目を挙げています。
なお、本提言は国連食糧農業機関(FAO: Food and Agriculture Organization of the United Nations)、国連環境計画(UNEP: United Nations Environment Programme)、世界保健機関(WHO: World Health Organization)および世界動物保健機関(WOAH: World Organisation for Animal Health)によって共同で運用され、当機構も参加している「薬剤耐性(AMR)マルチステークホルダー・パートナーシップ・プラットフォーム」によって作成されています。
- 効果的かつ分野横断的、透明、包括的、多国間、学際的な、マルチステークホルダーによる調整、コミュニケーションおよび継続的なフォロースルー(follow-through)を通じて、AMRに関するワンヘルス協力を強化する。
- 各国の状況、能力、体制を踏まえ、AMR国家行動計画(NAPs: National Action Plans)の実施を加速する。
- 研究、インフラストラクチャー、AMR NAPsの実施に持続可能な資金を動員することにより、AMRへの取組能力を強化する。
- 感染予防と管理(IPC: Infection Prevention and Control)、適正使用(スチュワードシップ)プログラム、水・衛生(WASH: Water, Sanitation and Hygiene)、ワクチン接種、早期発見と早期治療、大気・水・土壌・食品・媒介物の環境管理など、包括的な一次予防・二次予防戦略を通じて保健システムを強化し、ヒト・動物・環境の健康を向上させる。
- AMRに対するワクチン接種の影響に関するエビデンスを蓄積し、既存のワクチンへのアクセスと利用を増加させるメカニズムを開発し、規制経路を改善し、市場認可を促進し、部門や国を超えて製品を流通させることにより、ワクチン接種などの予防手段をより効果的に活用する。
- セクターごとのAMRと抗菌薬使用(AMU: Antimicrobial Use)の動向調査・監視(サーベイランス)を強化し、AMRのリスクと影響を軽減するためのエビデンスに基づく行動のための統合サーベイランスを構築する。
- 動物の健康と福祉を最適化しながらAMUを大幅に削減するために、農業食品システムを変革する。
- 農村部を含め、ヒトと動物のための質の高い必須医薬品、ワクチンおよび診断薬への普遍的で公平、安価かつ持続可能なアクセスを確保する。
- 高所得国およびその他の利害関係者に対し、持続可能な抗菌薬の研究開発(R&D: Research and Development)に始点から終点までのエンド・ツー・エンド(end-to-end)で取り組むことを約束するよう奨励する。これには、世界的に優先される病原体を対象とした新たな治療法やツールを提供するために必要なグローバルな研究開発努力を促進するための、プッシュ型およびプル型のインセンティブへの公共投資を増やすことも含まれる。
- AMRの環境的側面の要因、発生源、課題を予防し、対処する。
なお、当機構の薬剤耐性チームからも、本提言の内容最終化においてフィードバックをさせていただきました。この提言の原文(英語)は、こちらをご覧ください。
調査・提言ランキング
- 【調査報告】メンタルヘルスに関する世論調査(2022年8月12日)
- 【政策提言】保健医療分野における気候変動国家戦略(2024年6月26日)
- 【調査報告】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」
- 【調査報告】日本の看護師を対象とした気候変動と健康に関する調査(速報版)(2024年9月11日)
- 【政策提言】女性の健康推進プロジェクト「産官学民で考える社会課題としての更年期女性の健康推進政策提言書」(2024年7月31日)
- 【政策提言】共生社会の実現に向けた認知症政策2024 ~認知症施策推進基本計画(素案)及び基本的施策(素案)に対するHGPIからの提言~(2024年8月13日)
- 【調査報告】「子どもを対象としたメンタルヘルス教育プログラムの構築と効果検証」報告書(2022年6月16日)
- 【調査報告】「2023年 日本の医療の満足度、および生成AIの医療応用に関する世論調査」(2024年1月11日)
- 【政策提言】「認知症施策推進基本計画策定へ、今必要な3つの視点」~誰もが、いつでも、「共に生きる」社会の実現を目指して~(2024年4月1日)
- 【政策提言】肥満症対策推進プロジェクト2023「患者・市民・地域が参画し、協働する肥満症対策の実装を目指して」(2024年4月8日)
注目の投稿
-
2024-09-26
【申込受付中】HGPIサロン特別編「2024年米国大統領選が日本の医療とヘルスケア政策に与える影響:米中関係と日米連携の行方」(2024年10月28日)
-
2024-10-07
【申込受付中】国際対話「地域に根付いた市民主体のAMR対策の展開に向けて-Antibiotic Smart Swedenの取組に学ぶ-」(2024年10月25日)
-
2024-10-07
【申込受付中】プラネタリーヘルス専門家会合 未来の医療を築く:GGHHとともに考える持続可能で強靭なヘルスシステムのビジョン(2024年11月5日)
-
2024-10-09
【申込受付中】(オンライン開催)第128回HGPIセミナー「乳がん診療からみる、医療格差の捉え方」(2024年10月29日)
-
2024-10-10
【開催報告】HGPIセミナー特別編 認知症月間・世界アルツハイマー月間記念「認知症共生社会の実現に向けた企業の役割とは」(2024年9月19日)