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【活動報告】ユース緊急声明「猛暑から命と未来を守る、ユースからの緊急声明 ―誰も取り残さない気候変動対策を求めて―」の発信を支援(2026年8月7日)

【活動報告】ユース緊急声明「猛暑から命と未来を守る、ユースからの緊急声明 ―誰も取り残さない気候変動対策を求めて―」の発信を支援(2026年8月7日)

日本医療政策機構(HGPI)は、アジア医学生連絡協議会日本支部(AMSA Japan: Asian Medical Students’ Association Japan)、日本国際保健医療学会学生部会(jagh-s: Japan Association for Global Health, Students Section)、国際医学生連盟 日本(IFMSA-Japan: International Federation of Medical Students’ Associations Japan)による緊急声明「猛暑から命と未来を守る、ユースからの緊急声明 ―誰も取り残さない気候変動対策を求めて―」の発表を、事務局として支援しました。

本声明は、医療・公衆衛生を学ぶユースの立場から、気候危機への対応を中長期的な環境保護施策にとどめず、命と健康、学び、労働、保健医療体制を守るための最優先の社会課題として位置づけるよう、日本政府に求めるものです。


■緊急声明の背景と重要性

2026年7月、日本各地で40℃以上の酷暑日が相次ぎ、熱中症による救急搬送者数は1週間で1万人を超えました。欧州でも、7月中旬までに5カ国だけで約1万人の超過死亡が報告されるなど、猛暑は国内外で深刻な健康危機となっています。その影響は熱中症にとどまらず、学校や部活動、労働、医療・福祉の現場にも及んでいます。気候危機は、もはや将来の環境問題ではなく、現在の命と健康、学び、労働、保健医療提供体制を脅かす喫緊の社会課題です。

気候危機による負担はすべての人に等しく生じるものではなく、年齢や健康状態、所得、住環境、労働環境などによって大きく異なり、既存の健康格差をさらに拡大させています。また、学校や職場、家庭など、それぞれの場で暑さへの対策が求められていますが、施設や設備、運営体制、経済状況などの制約により、個人や現場の努力だけでは十分に対応できない場合があります。暑さの影響を受けやすい人々を確実に守るためには、個人の心がけに依存するのではなく、安全に学び、働き、暮らせる環境の整備や、必要な支援につなぐ仕組みを社会全体で構築する必要があります。

若者は、猛暑による健康や学び、活動機会への影響をすでに受けていると同時に、今後さらに深刻化する気候危機の影響を最も長く受け続ける世代です。また、医療・公衆衛生を学ぶユースは、将来、保健医療・福祉の現場で患者や地域の健康を守り、対策を実装する担い手でもあります。本声明は、こうした当事者と将来の担い手という双方の立場から、気候危機への対応を中長期的な環境保護施策にとどめず、命と健康、学び、労働、保健医療体制を守るための最優先の社会課題として位置づけることを求めるものです。そのうえで、現在生じている健康被害を抑える適応策と、気候変動のさらなる進行を抑える緩和策を一体的に進めるよう、日本政府および社会に呼びかけています。

■声明概要

本声明では、以下の3つの柱からなる提言を行っています。

1. 次世代医療・公衆衛生人材への「プラネタリーヘルス教育」の実質化と現場連動
気候変動と健康、ワンヘルス、プラネタリーヘルスに関する教育を、制度上の明記にとどめず、教育現場および医療・福祉現場で実践できる形で実装することを求めます。医学・歯学・薬学・看護学の各モデル・コア・カリキュラムへの位置づけが進む一方、その内容を実践的な学びや現場での行動につなげる教育体制は十分とはいえません。指導できる教員の養成、教材の整備、実践的な演習の拡充を進めるとともに、学びと医療・福祉現場の取り組みを連動させ、卒前教育から生涯教育までを通じた計画的な人材育成を求めます。

2. 社会全体で命を守る適応策の制度化
熱中症対策を一人ひとりの注意や努力だけに委ねず、社会の仕組みとして整備することを求めています。具体的には、学校・スポーツ施設への空調整備、暑さ指数(WBGT)に基づく活動基準、地域の脆弱性評価と早期警戒システム、医療・福祉従事者の保護、医療・福祉機関が地域の支援につなぐ気候適応型「社会的処方」の導入などを提言しています。あわせて、全国で継続的に対策を実施するための安定的な財源の確保を求めています。

3. 温室効果ガス排出の大幅削減と、誰一人取り残さない脱炭素社会への移行
気候危機のさらなる深刻化を抑え、人々の命と健康、生活基盤を将来にわたって守るため、温室効果ガス排出を大幅かつ速やかに削減し、脱炭素社会への移行を進めることを求めています。保健医療・福祉分野についても、エネルギー消費や排出の削減を明確な目標として掲げ、その取り組みを、患者・職員の健康、療養・就労環境の質、災害時のサービス継続性を同時に高める形で進めることを提言しています。あわせて、脱炭素化に伴う費用や負担が、地方・中小の医療機関や福祉施設、そこで働く職員に偏らないよう、施設の状況に応じた財政的・技術的支援を整備し、地域間・施設間の格差を広げない仕組みを構築することを求めています。

■発起団体・事務局

発起団体:

  • アジア医学生連絡協議会日本支部(AMSA Japan)
  • 国際医学生連盟 日本(IFMSA-Japan)
  • 日本国際保健医療学会学生部会(jagh-s)

事務局:

  • 特定非営利活動法人日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)

■賛同者

本声明の趣旨に、団体・個人の皆様よりご賛同をいただいています。(敬称略・順不同)
賛同団体・賛同者の一覧はこちら

本声明では、引き続き賛同いただける団体・個人を募集しています。ご賛同くださる方は、こちらの賛同フォームよりご登録ください。


■謝辞

本声明の作成にあたっては、HGPIプラネタリーヘルスプロジェクトのアドバイザリーボードにご参加いただいている有識者の方々より、ご助言をいただきました。深く御礼申し上げます。このうち、本声明の趣旨にご賛同いただいた方々は、以下のとおりです。なお、本声明は、ご助言いただいたアドバイザリーボードメンバーおよびその所属機関・団体の公式見解を示すものではありません。(敬称略・順不同)

中野 夕香里(公益社団法人 日本看護協会 専務理事)
近藤 尚己 (京都大学 大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻 社会疫学分野 主任教授)
櫻井 勇介(一般社団法人日本ゼロカーボン・ウェルフェア協議会 事務局長)
菊池 栄作(北海道大学 One Healthリサーチセンター社会・国際連携統括室長・特任准教授(大学院国際感染症学院、獣医学部兼任))
松浦 広明(松蔭大学副学長・常任理事/世界保健機関(WHO)環境・気候変動・健康経済学に関する技術諮問委員会 委員長)

※詳細は、当ページ下部のPDF資料をご覧ください。(本声明の英語版については後日公開予定)

 


アジア医学生連絡協議会日本支部(AMSA Japan: Asian Medical Students’ Association Japan)とは:
1980年に菅波茂氏により設立されたアジアの医学向上のためにヒューマンネットワーク構築を目的とする学生団体。「未来のために 今繋がろう」というスローガンのもとで、医療系学生が様々な経験を通して、人との繋がりを構築する。国内の活動では、ワークショップや合宿型医療研修を実施し国内の医療系学生を繋げる活動、論文執筆、日英の広報誌”eNewsletter”の発行を行っている。国際的な活動としては、アジア圏の国との短期の交換留学、年に2回開催される国際会議への参加、所属国とのコラボイベントの開催などを行っている。

日本国際保健医療学会学生部会(jagh-s: Japan Association for Global Health, Students Section)とは:
2005年に設立された学生団体。全国の国際保健に関心を持つ様々な分野の学生に対して地域格差のない情報や機会の提供を目指し、世界で活躍できる人材を育成することで、日本及び国際社会に貢献することを理念とする。グローバルヘルスに関する勉強会の企画と実施、日本国際保健医療学会学術大会への参加、新規プロジェクト「Global Health Online Book」の運営などを行っている。OBOGは国際協力機構(JICA)青年海外協力隊をはじめ、研究機関、政府機関、国際機関、非政府組織など、幅広く活躍している。

国際医学生連盟 日本(IFMSA-Japan: International Federation of Medical Students’ Associations)とは:
IFMSA-Japan は、「社会貢献や国際社会とのつながりの下、幅広い視野を持った医療人を育成し、よりよい社会を目指す」ことを理念に活動する学生団体。本プロジェクトを担当したStanding Committee on Public Health / SCOPH 公衆衛生に関する委員会では、「公衆衛生を通して地域社会に貢献し、幅広い視野を持った医療人を目指す」ことを理念として、人々が健康になればより良い世界が実現できるという想いを持ちつつ、啓発活動や健康教育などを通して、さまざまな視点から人々の健康の向上を目指す。

 

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