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【登壇報告】Democracy Youth Summit「オープンデイ」パネルディスカッション ―グローバルヘルスとウェルビーイング―(2025年8月18日、東京都渋谷区)

【登壇報告】Democracy Youth Summit「オープンデイ」パネルディスカッション ―グローバルヘルスとウェルビーイング―(2025年8月18日、東京都渋谷区)

2025年8月16日、17日に東京で開催された Democracy Youth Summit「オープンデイ」において、日本医療政策機構(HGPI)アソシエイトの佐藤ひかるが、パネルディスカッション「グローバルヘルスとウェルビーイング」にモデレーターとして登壇しました。

Democracy Youth Summit「オープンデイ」は、日本若者協議会が取り組む、世界の若者団体による連携と政治参加を推進する「グローバル・ユース・アドボカシー・キャンペーン」の集大成として開催されました。若者を取り巻く課題に関する議論を通じて、世界の若者による政治参加や取り組み、国際的な連携を一層促進することを目的としています。

当日は、世界各国から約60名の若者リーダーが集まり、12のテーマに分かれたパネルディスカッションが実施されました。そこでは、各国の若者が直面する課題や取り組み事例、そこから得られた教訓が共有され、若者団体間の国際的な協力の可能性について議論が深められました。

「グローバルヘルスとウェルビーイング」をテーマとしたパネルには、国連ユース担当事務次長補、パキスタン首相府 国家ユース評議会代表、カナダの糖尿病当事者団体の患者参画ディレクター、日本の自殺予防に取り組むNPOの代表者など、各国から多様な若者リーダーが参加しました。パネルディスカッションでは、「グローバルヘルス」「メンタルヘルス」「国際的な若者の協働」の三つを軸に、現状や課題、各地での取り組み、そして今後の展望について意見が交わされました。

議論の中では、デジタル技術や、ヘルスケアにおける技術革新が、若者の健康やウェルビーイングを向上させる機会となる一方で、新たなリスクをもたらす可能性がある点が強調されました。例えば、デジタル技術は、支援へのアクセス向上やメンタルヘルス、疾患に関する認知を広げる契機となる一方、ソーシャルメディア利用に伴ういじめやメンタルヘルスの悪化を招く懸念もあります。また、ヘルスケア分野の革新的技術は、治療や疾患とともに生きる人の生活の質を飛躍的に高めうる一方で、そのような技術にアクセスできる人とできない人との格差を拡大する可能性があります。

こうした急速な技術革新と社会変化の中で、当事者である若者自身が課題を認識し、政治的議論に積極的に参画できる環境を整備することの重要性が強調されました。さらに、国レベルだけでなく、グローバルレベルの政策決定過程においても、多様性を確保し、若者を含む幅広いステークホルダーを参画させることの必要性が示されました。

最後に、このような若者の国際的交流の場を継続的に設けることが、若者団体の国際協働を一層推進し、より具体的な取り組みへと発展するとの期待が示されました。

当機構でも、様々な世代、立場の関係者と共に、多様な経験を持つ患者・当事者が政策形成過程に持続的・効果的に参画する未来の実現に向けて活動を継続してまいります。

 

パネルディスカッション
セッション 5:グローバルヘルス&ウェルビーイング

パネリスト
Linxi Mytkolli(ダイアベティス アクション カナダ 患者参画ディレクター)
Maria Qazi(パキスタン 首相府 国家若者評議会)
Felipe Paullier(国連ユース担当事務次長補)
石井 綾華(特定非営利活動法人Light Ring. 代表理事)

モデレーター
佐藤 ひかる(日本医療政策機構 アソシエイト)

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