【メディア掲載】「気候変動、健康被害を注視せよ」(日本経済新聞 私見卓見、2024年9月25日)
日付:2024年10月22日
タグ: プラネタリーヘルス
2024年9月25日付の日本経済新聞「私見卓見」に、日本医療政策機構 副事務局長、菅原丈二が寄稿した「気候変動、健康被害を注視せよ」が掲載されました。
この記事では、気候変動が健康に及ぼす影響について以下のポイントについてまとめました。
- 健康への影響の顕在化
気候変動は従来、環境問題としてのみ捉えられてきましたが、最近ではその健康への影響が無視できないほど顕在化しています。2024年の「Climate Week NYC」では初めて「健康」が正式なテーマとして取り上げられ、国際社会における関心が高まっています。
- 日本の現状と健康リスク
日本でも気候変動が健康に及ぼす影響が深刻であり、ランセット誌によると、熱波による65歳以上の死亡が2000年から2004年に比べて57%増加しています。環境省の報告書でも、感染症、栄養失調、大気汚染、熱中症、メンタルヘルスの問題が懸念されています。高齢化が進む日本において、気候変動による健康リスクへの対応は急務です。
- 日本政府の国際的な役割
日本政府は、国際的な枠組みの中で積極的な役割を果たすべき時期に来ています。2024年の「第77回世界保健総会(WHA)」では、気候変動と健康が主要な議題として取り上げられました。日本政府は「気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス(ATACH)」への参加を表明し、保健医療システムの脱炭素化に向けた取り組みを進めています。
持続可能な開発目標(SDGs)実施指針や環境基本計画に「プラネタリーヘルス」の概念が盛り込まれ、経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太の方針)においてもATACHの推進が記載されました。今後、健康・医療戦略の第3期などの議論も進む中で保健医療システムの環境負荷の削減は避けることができません。当機構のプラネタリーヘルスプロジェクトでは、「保健医療分野における気候変動国家戦略」を公表いたしました。今後、少しでも多くのステークホルダーが気候変動などがもたらす健康への影響に対する包括的な対策の必要性について検討するきっかけになればと考えています。
全文はこちらよりご覧ください。(日本経済新聞社アカウント会員登録等が必要です)
調査・提言ランキング
- 【調査報告】メンタルヘルスに関する世論調査(2022年8月12日)
- 【政策提言】腎疾患対策推進プロジェクト2024「労働世代における慢性腎臓病(CKD)対策の強化にむけて」~健診スクリーニング、医療機関受診による早期発見、早期介入の重要性~(2024年10月28日)
- 【調査報告】日本の看護職者を対象とした気候変動と健康に関する調査(最終報告)(2024年11月14日)
- 【政策提言】保健医療分野における気候変動国家戦略(2024年6月26日)
- 【政策提言】肥満症対策推進プロジェクト2023「患者・市民・地域が参画し、協働する肥満症対策の実装を目指して」(2024年4月8日)
- 【調査報告】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」
- 【調査報告】「2023年 日本の医療の満足度、および生成AIの医療応用に関する世論調査」(2024年1月11日)
- 【調査報告】「子どもを対象としたメンタルヘルス教育プログラムの構築と効果検証」報告書(2022年6月16日)
- 【調査報告】日本の看護職者を対象とした気候変動と健康に関する調査(速報版)(2024年9月11日)
- 【調査報告】 日本の医師を対象とした気候変動と健康に関する調査(2023年12月3日)
注目の投稿
-
2024-10-28
【申込受付中】(ハイブリッド開催)公開シンポジウム「患者・当事者ニーズに基づく循環器病対策の推進に向けて~第2期循環器病対策推進計画をより実行性のあるものにしていくために~」(2024年11月22日)
-
2024-11-01
【申込受付中】認知症未来共創ハブ 報告会2024 〜活動の軌跡と未来を描く対話〜(2024年12月3日)
-
2024-11-08
【申込受付中】(ハイブリッド開催)肥満症対策推進プロジェクト 公開シンポジウム「社会課題として考える肥満症対策~市民主体の政策実現に向けて~」(2024年12月4日)
-
2024-11-11
【論点整理】専門家会合「少子化時代における持続可能な周産期医療提供体制の確立に向けて」(2024年11月11日)
-
2024-11-14
【調査報告】日本の看護職者を対象とした気候変動と健康に関する調査(最終報告)(2024年11月14日)