【開催報告】グローバル専門家会合「あるべき医療技術評価(HTA)の未来像」(2018年9月12日)
日付:2018年9月27日

日本医療政策機構は、グローバル専門家会合「あるべき医療技術評価(HTA)の未来像」を開催いたしました。
イノベーションと持続可能な保健医療システム実現のための、効率的・効果的な医療制度の構築は、日本のみならず世界共通の課題となっています。医療を適切に評価するための取り組みが各国でなされています。例えば、医療技術評価(HTA: Health Technology Assessment)によって、医療資源の適切な配分が可能になると期待する声が上がっています。わが国でも、中央社会保険医療協議会(中医協) 費用対効果評価専門部会で2012年度からHTA導入に向けて議論が重ねられてきました。2016年度には、費用対効果評価の試行的導入が実施され、2018年度も、今後の本格的導入に向けて、引き続き検討が重ねられています。
中医協で検討が進められるなか、当機構でも、2016年から、「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立」シリーズと題して、複数回にわたり、専門家会合や意見交換会を実施し、政策提言や論点抽出をまとめてきました*。
そして、HTAの本格的な導入が検討されつつあり、また、国際医薬経済・アウトカム研究学会 アジア・太平洋学会(ISPOR Asia Pacific)2018が開催されるタイミングに合わせて、この度、当機構はグローバル専門家会合を開催することとなりました。本会合では、国内外を代表する産官学民の有識者より、医薬品のHTAだけではなく、医薬品とは異なるアプローチが世界的にも模索されている医療機器分野でのHTAについても活発な議論が行われました。
*過去の活動については、「活動報告「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立」特別版」(下段)をご参照ください
■概要:
開催趣旨説明
- 近藤 由衣子(特定非営利活動法人 日本医療政策機構 シニアアソシエイト)
基調講演1「海外の先行事例にみるHTAの経験と教訓」
- Michael Drummond(ヨーク大学 医療経済研究所 教授)
基調講演2「欧州における医療機器分野でのHTA導入の現状、課題、今後の展望」
- Rosanna Tarricone(SDAボッコーニ経営大学院 政府・保健・非営利部門 副学部長/ボッコーニ大学 社会政治学部 准教授)
基調講演3「日本におけるHTAの現状-実際に行われている議論-」
- 五十嵐 中(東京大学大学院 薬学系研究科 医薬政策学 特任准教授)
パネルディスカッション「日本でのHTAのあり方:各領域に求められる役割」
パネリスト:
- 五十嵐 中(前掲)
- 桜井 なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長)
- 櫻本 恭司(厚生労働省 保険局医療課 課長補佐)
- 中尾 浩一(社会福祉法人 恩賜財団 済生会熊本病院 院長)
- Rosanna Tarricone(前掲)
モデレーター:
- 田村 誠(一般社団法人 医療システムプランニング 代表理事/ 国際医療福祉大学大学院 特任教授)
閉会の辞
- 三ッ林 裕巳(衆議院議員)
(順不同・敬称略)
(写真: 井澤 一憲)
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