【開催報告】「AMR アライアンス・ジャパン」設立記念 グローバル専門家会合 (2018年11月08日)
日付:2018年11月12日
タグ: AMR
*****最終報告書を作成し、発表しました。(2019年4月11日)
詳しくは、本ページの末尾のPDFファイルをご覧ください。
当機構は、「AMR アライアンス・ジャパン」設立記念 グローバル専門家会合を開催いたしました。
毎年、世界中で少なくとも約70万人もの人が薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)により死亡しています。このような状況を踏まえて、2015年5月に世界保健機関(WHO)総会で採択された「薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクション・プラン」をもとに、各国は自国の行動計画に基づいて対策強化に取り組んでいます。さらに、諸外国では実効性をもってAMR対策を推進するためにアライアンス設立の動きがあります。このような国際連携のモメンタムを維持すべく、2019年6月に大阪にて開催されるG20日本開催でも、AMR対策のアジェンダ化も期待されています。
わが国においては、医療機関でのAMR問題の拡大に加えて、医療機関外での市中感染型の薬剤耐性感染症が増加しており、2016年4月に「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が制定され、AMR対策を推進しています。こうした国内外の流れを受け、当機構は2016年からAMRに関する専門家会合をこれまでに3回開催してきました。第1回目の会合では、「AMRの世界的脅威と日本が果たすべき役割」について、産官学民を巻き込んだ政策議論を実施し、第2回では「AMR政策の進展に向けた7つの提言」を策定しました。さらに、第3回は世界抗菌薬啓発週間に合わせ、アクションプラン推進に向けて国内で取るべき具体的な課題とその施策について、産官学民で議論を重ね、論点を抽出しました。今年9月には、3回にわたるグローバル専門家会合で抽出された論点をもとに、AMR政策のさらなる進展と対策の具体的な実施につなげるためキックオフ・ミーティング「AMR アライアンス・ジャパン」設立ビジョンの設定に向けた課題整理」を開催し、AMR アライアンス・ジャパン設立に向け、ビジョンを描いていく上での課題を整理しました。
本会合では、キックオフ・ミーティングにおいて抽出された活動への示唆を踏まえ、AMR アライアンス・ジャパンが今後活動していく中で、必要となる具体的な取組み(迅速診断を促進するための診療報酬体系の見直し、医療従事者と国民を対象とした抗菌薬適正使用啓発資材の作成、全てのケースを収集できるサーベイランスシステムの構築、日本における抗菌薬開発を促進するために必要なインセンティブ・メカニズムの創設)について、産官学民を巻き込んで議論をしました。
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■概要:
開催趣旨説明
乗竹 亮治(特定非営利活動法人 日本医療政策機構 理事・事務局長)
開会の辞
黒川 清(特定非営利活動法人 日本医療政策機構 代表理事)※ビデオ出演
基調講演
三宅 邦明(厚生労働省 健康局 結核感染症課長)
パネルディスカッション1 「AMR アライアンス・ジャパンが打ち出すべき政策提言」
パネリスト:
- 釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
- 清田 浩 (日本化学療法学会 理事長/東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 泌尿器科 教授)
- Jenelle S. Krishnamoorthy(Merck & Co., Inc.,コミュニケーション・ポュレーション ヘルス グローバル政策 アソシエイト・バイス・プレジデント)
- 澤田 拓子(塩野義製薬株式会社 取締役副社長)
- 濱地 和弘(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)
モデレーター:
- Matt McEnany(特定非営利活動法人 日本医療政策機構 マネージャー)
パネルディスカッション2 「AMR政策の実行に向けたマルチステークホルダー協働のあり方」
パネリスト:
- 阿真 京子(一般社団法人知ろう小児医療守ろう子ども達の会 代表)
- 舘田 一博(日本感染症学会 理事長/日本臨床微生物学会 理事長/東邦大学微生物・感染症学講座 教授)
- 俵木 保典(日本製薬工業協会 国際部 部長)
- 三宅 邦明(厚生労働省 健康局 結核感染症課長)
モデレーター:
- 髙松 真菜美(特定非営利活動法人 日本医療政策機構 マネージャー)
閉会の辞
賀来 満夫(日本環境感染学会理事長/東北大学大学院医学系研究科総合感染症学分野、感染制御・検査診断学分野 教授)
本会合を受けて、今後、「2019年度の活動に向けた準備会合(ラウンドテーブル形式)」を開催する予定です。
今回当機構が主催した「AMR アライアンス・ジャパン設立記念グローバル専門家会合」の開催については、WHO内のAntimicrobial resistance Awareness activitiesでもご紹介されました。記事はこちらです。
WHOウェブサイト:Global Expert Meeting to Commemorate the Establishment of AMR Alliance Japan
(順不同・敬称略)
(写真: 井澤 一憲)
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