専門家団体は、急速に高齢化するG20諸国において、市民の健康、財政の持続可能性、および経済成長を促進する手段として、成人への予防接種を挙げています。

（2019年8月2日、ニューヨーク＆東京）ー 本日、 Global Coalition on Aging （GCOA）と日本医療政策機構（HGPI）は新たな報告書として「健康長寿を確保するための対策」を発表しました。本レポートは、経済成長と財政の持続可能性を健康長寿と予防医療対策に結び付け、特に重要な戦略として成人向けワクチンについて指摘しています。本報告書は、G20財務大臣会合に合わせて6月5日にGCOAとHGPIが招集したラウンドテーブル政策会議に基づいた提言をまとめたものです。

「日本のG20リーダーシップにおける高齢化への焦点、および世界最長寿国としての立ち位置は、健康長寿と健全な経済とのつながりを強調するプラットフォームを提供します」と、HGPI理事・事務局長／CEOの乗竹亮治は述べています。「全ての世代、特に成人へのワクチン接種の価値と重要性について明確なメッセージを伝えることは、ビジネスとイノベーションだけでなく、健康長寿においても日本がリーダーシップを発揮する機会となります。高齢化する国民の持続的な健康を確保する力は、日本の社会的および先進経済としての将来の成功をますます明確にします」。

日本経済新聞社の東京本社で開催された本ラウンドテーブル会合では、政府、民間セクター、アカデミア、国際機関から国内外のリーダーが結集し、財務相会議および10月の保健大臣会合に出席するG20リーダーに向けた政策提言をまとめました。

HGPIとGCOAは、ラウンドテーブル会合でまとめられた以下の政策提言を共同で作成いたしました。

•  財政の持続可能性についての政策議論は、いかに経済成長と高齢化問題を統合するかを検討する必要がある。その際、全ての世代へのワクチン接種は重要な役割を担う
•  政府と各国のリーダーは、経済成長と健康長寿に不可欠な予防的ヘルスケア政策を強化すべきである
•  政府は、予防的な医療政策に重要なワクチンの安全性、有効性、価値、および更なるイノベーションについて伝える取り組みを強化すべきである
•  健康長寿、予防的な保健医療政策、およびワクチン接種の促進のためには、マルチセクターによる協力が必須である

「G20諸国において100年の寿命が急速に標準化し、高齢者は最も急速に増加する年齢層となる。それにより、公衆衛生システムの将来の持続可能性および継続的な経済成長は、高齢者の健康、福祉、生産性を延伸する能力にますます依存することになります」と、GCOAのCEOであるマイケル・W・ホーディンは述べています。 「ワクチンは、長らく公衆衛生の子供向けのベスト・プラクティスでしたが、若者よりも高齢者が多い21世紀においては、各国の健康長寿および予防戦略の中心的存在となるべきです。成人へのワクチン接種を促進する政策は、最も費用対効率が高く、保健に効果的な戦略の一つです」。

■日本医療政策機構
日本医療政策機構（HGPI: Health and Global Policy Institute）は、2004年に設立された非営利、独立、超党派の民間の医療政策シンクタンクです。市民主体の医療政策を実現すべく、中立的なシンクタンクとして、幅広いステークホルダーを結集し、社会に政策の選択肢を提供してまいります。特定の政党、団体の立場にとらわれず、独立性を堅持し、フェアで健やかな社会を実現するために、将来を見据えた幅広い観点から、新しいアイデアや価値観を提供します。日本国内はもとより、世界に向けても有効な医療政策の選択肢を提示し、地球規模の健康・医療課題を解決すべく、これからも皆様とともに活動してまいります。詳しくは、https://hgpi.org/をご覧ください。 　

■Global Coalition on Aging
Global Coalition on Aging（GCOA）は、人口の高齢化が進むことにより生じる21世紀の大きな変化に対応するグローバルリーダーのアプローチ方法や方策を再構築することを目指しています。GCOAは、高齢人口に対して知見があり、高齢化を包括的・体系的に理解しており、高齢化による影響を楽観視している様々な業種・世界的企業を、独自の方法で団結させています。研究、公共政策分析、アドボカシー活動、戦略的なコミュニケーションを通じて革新的なソリューションを推進し、また、世界的な人口高齢化が健康増進、生産性向上、経済成長へ繋がるよう活動しています。詳しくは、www.globalcoalitiononaging.comをご覧ください。