【開催報告・政策提言】第2回AMRグローバル専門家会合「AMR アクションプラン策定から一年 ~国内外におけるAMR 政策の進展と、新たな課題~」~AMR政策の進展に向けた7つの提言~
日付:2017年11月14日
タグ: AMR
AMR 政策の進展に向けた7つの提言(専門家会合まとめ)
1. 適正診断を進めるべく、迅速検査の重要性を再認識すべき
- AMR対策の要として適正・迅速な検査・報告の重要性を再認識し、活用可能な承認済みの検査機器などの導入を一層推進すべき
- 政府当局として、迅速機器の導入補助、または診療報酬での評価など、AMR対策における微生物検査の推進施策を検討すべき
- 感染対策(院内感染、市中持ち込み感染)に対して、政府は具体的な実施施策を検討し、実施施設の評価を行うべき
- AMR対策に有効な未承認機器・試薬の承認迅速化などの対応を検討すべき
2. R&Dに関わるインセンティブを構造的に設計すべき
- AMR対策に関わるR&Dへの投資を行うにあたって、経済的なインセンティブ確保や投資リスクや収益性の確保などに関する予測可能性の点で困難があることを認識すべき
- その上で、資金援助などに加え、企業が自ら開発に投資し、市販後の適正使用を推進しやすい環境を整備するための根本的なプル型のインセンティブ設計の改革を行うべき
3. 検査データの分野横断的かつ国際的な統合を促進すべき
- 検査において収集されたデータの分野横断的・国際的な統合を促進すべき
- これらのデータおよびその分析を踏まえ、感染症一般に対する診断方法も含めた診断プロトコールの頒布を行うなど、適正診断のための意識喚起を行うべき
4. 産官学連携の具体的進展を図るべき
- サーベイランス・R&D・適正検査や診断の促進など、AMR対策の柱となる分野において、産官学連携を促進すべき
- 産官学連携にあたっては、アジェンダ設定にとどまらず、標準化データの共有や規制調和化など具体的に踏み込んだ産官学連携メカニズムの構築を行うべき
- 相互理解や信頼醸成を含めた対話を基礎とすべき
5. 過剰抑制に留意しつつ、アクションプランのさらなる実施を進めるべき
- セクター・分野横断的にアクションプランのさらなる実施を進めるべき。その際、成果目標の達成を追求しつつ、抗菌薬使用の過剰抑制にならないよう留意すべき
6. 国際的なリーダーシップを引き続き日本が担うべき
- 日本・米国・欧州間における産官学連携を促進するとともに、AMR課題が顕著なアジアにおいて日本の国際的なリーダーシップを示すべき
7. 啓発活動を一層推進すべき
- 患者自身が問題を理解し抗菌薬の過剰投与を希望しないよう、メディア・市民への啓発活動を一層推進すべき
■概要
基調講演1
基調講演2
セッション1 「G7伊勢志摩サミットを振り返る ~サミットの成果と各国におけるAMR対策の進展と課題~」
長年AMR問題をはじめとするグローバルヘルス領域の政策課題に取り組んできたことを踏まえ、AMRという複雑かつ喫緊の脅威に対して、内閣官房(国際感染症対策室、健康医療戦略室)、厚労省、外務省等が、民間セクターやアカデミックセクターと連携することで、AMR特有の新規抗生物質の創薬開発・製造等に係る課題解決を図る重要性について言及されました。
調査・提言ランキング
- 【政策提言】持続可能な社会のための気候と健康の融合:国が決定する貢献(NDC)にプラネタリーヘルスの視点を(2024年12月9日)
- 【調査報告】メンタルヘルスに関する世論調査(2022年8月12日)
- 【政策提言】肥満症対策推進プロジェクト2023「患者・市民・地域が参画し、協働する肥満症対策の実装を目指して」(2024年4月8日)
- 【政策提言】保健医療分野における気候変動国家戦略(2024年6月26日)
- 【政策提言】環境と医療の融合で実現する持続可能な健康長寿社会~プラネタリーヘルスの視点を取り入れた第3期健康・医療戦略への提言~(2024年12月20日)
- 【調査報告】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」
- 【政策提言】腎疾患対策推進プロジェクト2024「労働世代における慢性腎臓病(CKD)対策の強化にむけて」~健診スクリーニング、医療機関受診による早期発見、早期介入の重要性~(2024年10月28日)
- 【調査報告】日本の看護職者を対象とした気候変動と健康に関する調査(最終報告)(2024年11月14日)
- 【調査報告】「子どもを対象としたメンタルヘルス教育プログラムの構築と効果検証」報告書(2022年6月16日)
- 【調査報告】「2023年 日本の医療の満足度、および生成AIの医療応用に関する世論調査」(2024年1月11日)
注目の投稿
-
2024-11-25
【申込受付中】(オンライン開催)第130回HGPIセミナー「難病法施行から10年『難病と社会を繋げる~メディアと当事者家族の視点から~』」(2025年1月28日)
-
2024-12-09
【政策提言】持続可能な社会のための気候と健康の融合:国が決定する貢献(NDC)にプラネタリーヘルスの視点を(2024年12月9日)
-
2024-12-12
【HGPI政策コラム】(No.51)-プラネタリーヘルスプロジェクトより-「第11回:日本の製薬業界におけるカーボンニュートラルの実現に向けた取組み」
-
2024-12-18
【政策提言】腎疾患対策推進プロジェクト2024「労働世代における慢性腎臓病(CKD)対策の強化にむけて」~健診スクリーニング、医療機関受診による早期発見、早期介入の重要性~(2024年10月28日)
-
2024-12-20
【政策提言】環境と医療の融合で実現する持続可能な健康長寿社会~プラネタリーヘルスの視点を取り入れた第3期健康・医療戦略への提言~(2024年12月20日)