【開催報告】「市民社会のためのNCDグローバルフォーラム 糖尿病セッション『患者リーダーなどによるワークショップの部』『フォーラムの部』」(2018年5月29日)
日付:2018年9月3日
タグ: NCDs
*****最終報告書を作成し、発表しました。(2018年9月3日)
詳しくは、本ページの末尾のPDFファイルをご覧ください。
2018年5月29日(火)、日本医療政策機構は、「市民社会のためのNCDグローバルフォーラム 糖尿病セッション『患者リーダーなどによるワークショップの部』『フォーラムの部』」を開催いたしました。
心疾患、がん、糖尿病、慢性肺疾患などに代表されるNCDs(Non-Communicable Diseases:非感染性疾患)は、世界で主要な健康課題となっており、WHOの統計によると、2015年には、世界で3950万人がNCDsに起因し死亡し、その数は全死因の約70%にのぼっています。また、それらの死亡の4分の3は、低所得および中所得国で発生しており、喫緊のグローバルヘルス課題でもあります。
日本を含む先進国においても;
- NCDsの増加による疾病構造の変化に、保健医療システムが対応しきれていない(例:NCDsの増加は、患者さんや当事者の自主的な疾病管理の必要性や、日常生活のなかで疾病と向き合う機会の増大を生み、より一層、患者さんや当事者の声が届く制度設計の仕組みづくりが必要)
- NCDsでも、画期的な新薬や医療機器が創出されつつあるが、医療費の抑制も同時に求められており、イノベーションと医療システムの両立や維持が必要
- NCDs分野でのイノベーションの状況、医療システム全般への理解などについて、価値を共有・発信できる市民社会リーダーが、より一層必要
- NCDsが、低中所得国で多く発生しているグローバルヘルス課題であるという認識の周知が必要(例:先進国での課題解決や教訓の事例の共有、先進国による低中所得国支援への具体的な支援が求められている)
といったニーズが散見されています。
このようななか、国際的にも、NCDs対策を促進するモメンタムは高まりを見せています。2009年に設立され、約2,000の市民団体や学術団体が参画し、約170か国に展開する協働プラットフォームであるNCD Allianceの呼びかけもあり、2018年9月には、国連総会においてNCDsをテーマとしたハイレベル会合が、2014年以来に開催されます(日本医療政策機構は、NCD Allianceの日本窓口として登録されており、このモメンタムを推進しています)。
NCDsを取り巻く課題や現状に対峙すべく、日本医療政策機構では、NCDsの各疾病領域において、患者さんや当事者目線から各疾病における政策課題を抽出し、求められる政策を提言することが重要だと考えています。そのため、国内外の患者さんや当事者を含めた産官学民がフラットに結集し議論を重ねるグローバルフォーラムを開催することとなりました。
今回の第1回では、関係団体の協力のもと、糖尿病をテーマとし、患者さんや当事者目線から政策課題を抽出するために、グローバルフォーラム開催前の午前には、患者・当事者リーダー向けのワークショップ・意見交換会を開催致しました。
■患者リーダーなどによるワークショップの部
共催:
特定非営利活動法人 日本医療政策機構(HGPI)
特定非営利活動法人 患者スピーカーバンク (KSB)
特定非営利活動法人 日本慢性疾患セルフマネジメント協会(J-CDSMA)
米国 Partnership to Fight Chronic Disease(PFCD、慢性疾患対策パートナーシップ)
参加者:
患者リーダー、次世代患者リーダー、海外患者リーダー、アカデミア、産業界など
ワークショップでは「患者の課題を起点にマルチステークホルダーで考える糖尿病政策の次なる打ち手」と題し、活発な議論が交わされました。
■フォーラムの部
開会の辞(ビデオメッセージ)
黒川 清(日本医療政策機構 代表理事)
患者リーダーによるワークショップ・意見交換会 レポート
武田 飛呂城(特定非営利活動法人 日本慢性疾患セルフマネジメント協会 (J-CDSMA) 事務局長)
基調講演1「厚生労働省の糖尿病対策について」
相原 允一(厚生労働省 健康局 健康課 課長補佐)
基調講演2「日本における糖尿病ケアと政策的課題」
植木 浩二郎(国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター長)
スペシャルセッション「糖尿病をはじめとする非感染症疾患に対する国際協力」
ケニス トープ(米国 Partnership to Fight Chronic Disease (PFCD) (慢性疾患対策パートナーシップ)代表理事)
パネルディスカッション
「コミュニティにおける患者中心の糖尿病ケア・マネジメントの国際的潮流と展望」
パネリスト:
植木 浩二郎
オーレ ムルスコウ ベック(ノボノルディスクファーマ株式会社 代表取締役社長)
クリスティーナ パーソンズ ペレス(NCD Alliance能力開発ディレクター)
ケニス トープ
能勢 健介(任意患者団体 MYSTAR-JAPAN 共同代表)
山﨑 優介(広島市立安佐市民病院 看護師)
モデレーター:
乗竹 亮治(日本医療政策機構 事務局長)
(順不同・敬称略)
(写真:井澤 一憲)
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