【開催報告】メンタルヘルス政策プロジェクト 当事者視点で考えるデジタルテクノロジーの利活用促進に向けた目指すべき方向性「心の健康を高める『メンタルヘルステック』を取り巻く政策課題と今後の打ち手」第1回ラウンドテーブルディスカッション(2022年9月1日)
日付:2022年12月9日
タグ: メンタルヘルス
※ラウンドテーブルディスカッションのサマリーを公開しました。(2022年12月9日)
日本医療政策機構 メンタルヘルス政策プロジェクトでは、2022年9月1日に第1回ラウンドテーブルディスカッション「心の健康を高める『メンタルヘルステック』を取り巻く政策課題と今後の打ち手」をオンライン形式にて開催いたしました。なお本会合は非公開で実施しました。
2019年度よりスタートした当機構のメンタルヘルス政策プロジェクトでは、メンタルヘルス政策を、継続的かつ専門的な支援を必要とする段階から、日常の中で感じる「ちょっとした生きづらさ」までを包含しています。そうした考え方の下、今後のメンタルヘルス政策においては、当事者を中心としてマルチステークホルダーが連携し、切れ目のないライフコースに沿った支援体制の構築が重要であると考えています。この社会に生きる私たちのメンタルヘルスの増進による生活の質(QOL: Quality of Life)の向上を最終的な目標として、政策変革への提言・取り組みを続けています。
治療が必要な段階になって初めてメンタルヘルス課題と向き合うのではなく、健康増進の観点も含めた包括的なライフコースアプローチを推進するには、まずはひとりひとりがライフコース全体にわたってメンタルヘルスのセルフケアができる環境整備が求められます。そのために、メンタルヘルスは特に「デジタルテクノロジー」の活用が期待される領域です。
一方で、本領域で活用が可能なデジタルテクノロジーは、セルフケアツールから、治療効果を目的とするプログラム医療機器に分類されるもの、またデータ収集や分析を目的とするものまで幅広く、現状として、それらは政策的な大きな方向性が示されているとは言えません。そして何より、そうしたテクノロジー活用のメリット・デメリットの受け手でもある患者・当事者の立場から、デジタルテクノロジーの質の評価の在り方、アクセシビリティ、さらには情報セキュリティ等の倫理面についても多角的な議論が必要です。
そこで本ラウンドテーブルディスカッションでは、セルフケアや健康増進を目指すテクノロジーとして「メンタルヘルステック」に焦点を当て、
- 自分に必要なメンタルヘルステックをどう選ぶのか
- 医療的ケアが必要になったときにどうするか
- メンタルヘルステックに求めるエビデンスとは何か
- 予防・健康増進のコストは誰が負担するのか
といった観点から、メンタルヘルス当事者の参画はもちろん、テクノロジーの開発やエビデンス創出を担うアカデミアや産業界、行政等のマルチステークホルダーと共に、現状の課題と必要な施策について議論を行いました。
■ラウンドテーブルディスカッションメンバー(敬称略・五十音順)
- 落合 康(住友ファーマ株式会社フロンティア事業推進室 開発企画オフィサー)
- 金子 賢佑(株式会社金子書房 代表取締役 常務執行役員)
- 久我 弘典(国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター センター長)
- 小林 圭吾(メンタルヘルス 当事者)
- 小山 智也(経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課 課長補佐)
- 武川 大輝(emol株式会社 代表取締役 COO)
- 竹林 由武(福島県立医科大学医学部健康リスクコミュニケーション学講座 講師)
- 林 晋吾(メンタルヘルス 当事者/株式会社ベータトリップ 代表取締役)
- 三原 岳(ニッセイ基礎研究所 主任研究員)
- 水町 雅子(宮内・水町IT法律事務所 弁護士)
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