【開催報告】「難病の日」シンポジウム「患者・市民の視点から考えるこれからの難病対策」(2024年5月23日)
日付:2024年8月23日
タグ: その他の活動
※報告書を公開いたしました。(2024年8月23日)
※シンポジウムのアーカイブ動画を公開いたしました。(2024年6月20日)
日本医療政策機構(HGPI)では、5月23日「難病の日」に、「シンポジウム「患者・市民の視点から考えるこれからの難病対策」を開催いたしました。
難病は数多ある医療政策課題の中でも、特に重要な課題の1つです。希少疾患と合わせて議論されることが多いですが、特に難病の場合はその発生機序が明らかでない事が多く、明確な治療法が確立されてない、また長期の療養が必要になるなど、患者の心身の負担が大きくなるとされています。日本では、指定難病とされる疾患は今日現在341に上り、患者数は100万人を超えるとされています。政府も1972年の難病対策要綱を皮切りに、「研究開発の推進」「医療提供体制の整備」「患者支援(主に医療費助成)」という形で難病対策を進めてきました。また1998年には、難病医療連絡協議会、難病支援センターが各都道府県に設置され、患者の生活環境の整備や就労支援など、福祉制度との連携も進んでいます。また介護保険制度においても難病を原因とする要介護への対応も可能となっています。2014年には「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が制定され、医療の推進をはじめ、社会環境の整備も含めた方向性を打ち出しています。
一方で、依然として難病対策の課題も様々な指摘がなされています。医療提供体制の面では、必要な情報が十分に行き届いていない情報格差や、診断までの時間が依然として長い状況(診断ラグ)、さらには医療の地域格差、小児医療から成人医療への連携などが挙げられます。また研究開発においては、各疾患に対する基礎的な研究のさらなる推進に向けたデータ収集体制の構築や、治療薬の開発に向けて患者ニーズに基づく研究の推進に向けた研究への患者参画(PPI)などが期待されています。
本シンポジウムでは、これからの難病対策のあり方についてマルチステークホルダーによる議論を通じて、今後の論点を整理すると共に、それらを社会に広く発信することを目的としました。
■シンポジウム動画(約2時間07分(127分))
【開催概要】
- 日時:2024年5月23日(木)15:00-17:00(開場14:45)
- 形式:ハイブリッド(対面・オンライン(Zoomウェビナー))
- 会場:グローバルビジネスハブ東京 フィールド
(〒100-0004 東京都千代田区大手町 1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ 3階) - 言語:日本語・英語(同時通訳あり)
- 参加費:無料
- 主催:日本医療政策機構
- 後援:一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会/特定非営利活動法人ASrid
【プログラム】(敬称略)
15:00-15:05 | 開会のお言葉:「難病の日」を迎えて |
辻 邦夫(一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 常務理事) | |
15:05-15:20 | プレゼンテーション1「市民社会の視点から考える難病対策のこれまでとこれから」 |
西村 由希子(特定非営利活動法人ASrid 理事長) | |
15:20-15:35 | プレゼンテーション2「日本の難病対策について」 |
横田 正明(厚生労働省健康・生活衛生局 難病対策課 課長補佐) | |
15:40-15:55 | プレゼンテーション3「AMEDにおける希少難治性疾患への取り組み」 |
中島 唯善(国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)創薬事業部 創薬企画・評価課 調査役/AMEDプログラムオフィサー) | |
15:55-16:10 | プレゼンテーション4「自治体における難病対策」 |
津島 志津子(神奈川県健康医療局 保健医療部がん・疾病対策課 課長) | |
16:10-16:25 | プレゼンテーション5「患者・市民と共につくる研究」 |
古結 敦士(大阪大学大学院医学系研究科 医の倫理と公共政策学分野 助教) | |
16:30-17:00 | パネルディスカッション「患者・市民の視点から考えるこれからの難病対策」 |
パネリスト モデレーター |
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