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【開催報告】専門家会合「乳がん診療に関する地域間格差の是正に向けた政策上の打ち手」(2024年8月1日)

【開催報告】専門家会合「乳がん診療に関する地域間格差の是正に向けた政策上の打ち手」(2024年8月1日)

日本医療政策機構は、2024年8月1日に専門家会合「乳がん診療に関する地域間格差の是正に向けた政策上の打ち手」を開催いたしました。

がんは日本人の死因の上位を占めることから、研究開発や政策においても長年対策が進められてきた領域です。しかし、がんはその種類によって罹患している人の属性や治療法などが多種多様であり、一概に「がん対策」で全てのがんをまとめることは適切ではありません。

中でも乳がんは、生存率が高く治療予後が比較的よいという特徴を持つと同時に、思春期・若年成人(AYA: Adolescent and Young Adult)世代に特徴付けられるように若い世代での発症が多いこと、化学療法(ゲノム医療含む)や放射線療法、妊孕性温存や乳房再建術といった多様な治療法・選択肢があること、患者の9割以上が女性という性差の特徴などがあり、単に治療を提供するだけでなく、個別性の高い心理的・社会的サポートが求められる領域です。

また、日本ではかねてより医師の偏在が問題となっており、乳がん診療においても人材の不足は大きな問題となっています。乳がん診療全体の機能分担や地域内・地域間連携などの集約化や均てん化については、いまだ議論の途上といえます。

本専門家会合では、乳がん領域における地域間格差是正を目指し、日本の現在の保健医療システムが抱える課題と乳がん領域特有の課題の整理、並びにそれらの課題に対する政策上の打ち手について議論を行いました。

議論の主なポイントは以下の通りです。

  • 地域の実情に応じた持続可能な医療提供体制
  • データの利活用を通じた医療の質の均てん化
  • 患者参画、社会・経済的な患者包括支援

今後、本会合や日本医療政策機構が独自に実施している有識者へのヒアリング等を踏まえて関連する提言書を公表予定です。


【開催概要】

  • 日時:2024年8月1日(木)18:00-20:00
  • 形式:オンライン
    ※ 本会合は非公開にて開催いたしました。
  • 言語:日本語
  • 主催:日本医療政策機構

 

専門家会合メンバー(敬称略・五十音順)

石田 孝宣(東北大学大学院 医学系研究科・医学部 医科学専攻 外科病態学講座 乳腺・内分泌外科学分野 教授)
金子 景香(がん研究会 有明病院 臨床遺伝医療部 認定遺伝カウンセラー)
桜井 なおみ(キャンサーソリューションズ株式会社 代表取締役社長)
佐治 重衡(福島県立医科大学 医学部 腫瘍内科学講座 主任教授)
菅原 祐美(若年性乳がんサポートコミュニティ Pink Ring 東北 branch 代表)
宮脇 聡子(四国がんセンター がん看護専門看護師)
若尾 文彦(国立がん研究センター がん対策情報センター本部 副本部長)
渡邊 知映(昭和大学 看護学科 教授)

オブザーバー

鶴田 真也(厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課 課長)

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