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【開催報告・政策提言】第2回グローバル専門家会合「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立 シリーズ~日本における医療技術評価(HTA)のあり方、課題、そして今後の期待:徹底討論~」~今後検討すべき総合的な論点~(2017年10月5日)

【開催報告・政策提言】第2回グローバル専門家会合「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立 シリーズ~日本における医療技術評価(HTA)のあり方、課題、そして今後の期待:徹底討論~」~今後検討すべき総合的な論点~(2017年10月5日)
*****最終報告書を作成し、発表しました。 (2018年4月10日)
詳しくは、当ページのPDFファイルをご覧ください。
 
 
2017年10月5日(木)、当機構は、第2回グローバル専門家会合「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立 シリーズ~日本における医療技術評価(HTA)のあり方、課題、そして今後の期待:徹底討論~」を開催しました。
 
2017年4月に日本医療政策機構(HGPI)は、グローバル専門家会合「医療システムにおけるイノベーションと持続可能性の両立に向けて」を米国戦略国際問題研究所(CSIS: Center for Strategic and International Studies)と共催で開催しました。4月会合では、イノベーションを推進しながら、公平なアクセスを確保し、質の高い医療の提供を担保する一方で、コストを抑えるという難題は、日本独自の課題ではなく、世界共通の課題であることが確認されました。また、医療技術や機器・薬剤の価値を適切に評価するために、財政的な負担と公衆衛生上の利点の双方を指標とし、マルチステークホルダーによる意思決定プロセスにおける国民の参画の重要性が指摘されました。
 
4月会合を受け、今回、第2回グローバル専門家会合となる「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立 シリーズ~日本における医療技術評価(HTA)のあり方、課題、そして今後の期待:徹底討論~」を開催いたしました。国内外の産官学民を代表する20名の有識者が一同に会し、チャタムハウスルールによるラウンドテーブルという形式で議論がなされました。
 
 
慢性疾患の増加による疾病構造の変化や高齢化、医療機器・医薬品の発展による医療費の急速な高額化により、医療保険制度の持続可能性とイノベーションの両立は世界各国の喫緊の課題となっています。我が国でも、限られた医療保険財源で高い保健医療水準を担保し、国民皆保険制度を維持することは重要な課題となっています。解決策の一つとし、厚生労働省は、2018年度からの医療技術評価(HTA: Health Technology Assessment)の制度化を進めています。中央社会保険医協議会(中医協)などにおいて、その骨組みをとりまとめている段階であるなか、フラットかつマルチステークホルダーによる議論が行われました。
 
今後検討すべき総合的な論点(専門家会合まとめ)
総合的な視点 1:
医療技術評価(HTA: Health Technology Assessment)は医療費抑制のツールではなく、国民や患者のために医療技術を正当に評価する手法であることを、ステークホルダーが再認識する必要性
  • 中央社会保険医療協議会(中医協)の議論をはじめ、医療費抑制のための費用対効果という議論になってしまう場合があるが、HTAは本質的に国民や患者の利益に寄与することができるという視点を再認識すべきである。
総合的な視点 2:
導入段階として、医療機器と医薬品についてのHTA議論が本格化しているが、医療技術全般についてのHTA導入についても検討する必要性
  • 患者にとっての価値に基づく医療(value-based healthcare)を実現するためには、医療技術や医療サービス全般の質の向上についても議論を重ねていくべきである。
  • HTAの結果が、最終的に患者利益につながっていない場合もあり、総合的で臨床現場の視点を含めた評価も検討されるべきである。(例:注射薬が経口薬に代わるなどのイノベーションがある一方で、その経口薬の処方を受けるために、病院内の別の診療科で受診する必要があるなど)
総合的な視点 3:
HTA導入によりイノベーションを正当に評価するためには、保健医療システム全体を見据えて、効率性や生産性を向上させることも同時に検討する必要性
  • HTAによって優れていると評価され得る医薬品や医療機器を研究開発する環境を維持向上すべく、残薬問題の解消、多剤併用の解消、ジェネリックやバイオ後続品の普及推進などによる保健医療システム全体の効果的で効率的な運用も検討されるべきである。
■概要:
基調講演1:「Rebalancing Innovation & Sustainability – Japan’s case-」
  • 鈴木康裕(厚生労働省 医務技監)
基調講演1では、医薬品業界を取り巻く環境の変化、近年の製薬業界の姿、そして医療費増加と日本の医療政策の行方についてご講演いただきました。
 
基調講演2:「医療技術評価(HTA)の学問的な変遷と今後の展開」
  • 齋藤信也(岡山大学大学院 保健学研究科 教授/国際医薬経済・アウトカム研究学会(ISPOR)日本部会 会長))
基調講演2では、医療技術評価(HTA)の学術的な変遷、HTAの活用方法、そしてHTAを国内で導入する際の留意点についてご講演いただきました。 
 
ラウンドテーブル 「日本における医療技術評価(HTA)のあり方、課題、そして今後の期待」
■登壇者(五十音順・敬称略):
  • 赤沢 学(明治薬科大学 公衆衛生・疫学研究室 教授)
  • 五十嵐 中(東京大学大学院 薬学系研究科 医薬政策学 特任准教授)
  • 市川 衛(医療ジャーナリスト / 日本放送協会(NHK) 科学・環境番組部 第1制作センター 制作局 ディレクター)
  • Eun-Young Bae(慶尚大学校 薬学部 教授)
  • 大西 佳恵(クリエイティブ・スーティカル 株式会社 日本代表)
  • Chris Hourigan(ヤンセンファーマ株式会社 代表取締役社長)
  • Kevin Haninger(米国研究製薬工業協会(PhRMA) インターナショナル・アドボカシー デピュティ・バイス・プレジデント)
  • Koen Torfs(Janssen Pharmaceutical Companies of Johnson & Johnson グローバル・リエンバースメント&リアル・ワールド・エビデンス バイスプレジデント)
  • 後藤 悌(国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科)
  • 小谷 秀仁(パナソニック ヘルスケアホールディングス株式会社 代表取締役社長 /パナソニック ヘルスケア株式会社 代表取締役社長 最高経営責任者 最高技術責任者)
  • 齋藤 信也(岡山大学大学院 保健学研究科 教授/国際医薬経済・アウトカム研究学会(ISPOR)日本部会 会長)
  • 桜井 なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長/がん対策推進協議会 患者委員)
  • 白岩 健(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部 主任研究官)
  • 田村 誠(米国医療機器・IVD工業会(AMDD)医療技術政策研究所 所長/一般社団法人 医療システムプランニング 代表理事)
  • 中村 洋(慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 教授)
  • 二木 立(日本福祉大学 相談役・大学院 特任教授)
  • Philippe Fauchet(欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)副会長/ グラクソ・スミスクライン株式会社 代表取締役会長)
  • 眞島 喜幸(特定非営利活動法人 パンキャンジャパン 理事長)
  • 松本 純一(公益社団法人 日本医師会 常任理事)
  • 眞鍋 馨(文部科学省 高等教育局 医学教育課 企画官)
■モデレーター
  • 乗竹 亮治(日本医療政策機構 事務局長)
  • 菅原 丈二(日本医療政策機構 アソシエイト)
ラウンドテーブル 「日本における医療技術評価(HTA)のあり方、課題、そして今後の期待」では、2017年10月5日(木)までにおける、中医協での議論をもとに費用対効果評価を行っていく工程毎の課題、そして本格導入に向けて更に議論が必要である課題について議論がなされた。
 
尚、グローバル専門家会合で議論された内容について、主催者側が論点を抽出し、とりまとめたものであり、必ずしも登壇した方々の意見を代表するものではなく、本報告書発行時における最新の議論が反映されていない場合がある。
 
  • 論点 1:質の高いデータを収集するシステムの必要性
  • 論点 2:支払い意思額(WTP)を定めずに分析・評価する方法の可能性
  • 論点 3:企業と再分析班の間で科学的でフェアなコミュニケーションの必要性
  • 論点 4:再分析班でアナリストとして活躍できる人材のさらなる育成の必要性
  • 論点 5:再分析結果の国民への公表の必要性とその方法
  • 論点 6:アプレイザル方法の公平性・透明性を確保する必要性
  • 論点 7:医療機器と医療品では分析・評価方法などにおいて、異なるアプローチをとる必要性
  • 論点 8:評価結果を直接的に価格反映すべきかを含め、価格調整の明確な方針決定の必要性
  • 論点 9:国民への説明責任・説明方法(議論の内容、評価方法、価格の提示など)を明確にする必要性
  • 論点 10:費用対効果は良いが財政への影響が大きすぎる製品が増えた際、その影響をコントロールするための制度の議論の必要性
 
(写真:井澤 一憲)

 

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