第2回朝食会「患者視点の医療改革」
日付:2005年12月1日

今回は、当機構副代表理事の近藤正晃ジェームスが「患者視点の医療改革」というテーマで講演させていただきました。
(要旨)
医療制度構造改革が終盤を迎えているが、医療費の総枠についての財政的調整が中心となり、医療の質を上げコストを下げるための具体的な施策が不足している。しかし、政策立案プロセスについては評価できる。今回の改革は、官邸および経済財政諮問会議(内閣府)によって進められており、従来の族議員・役所・業界団体の「鉄のトライアングル」中心の意思決定から大きく変わった。今後はこのように、官邸主導の政策立案が、一時的な勢いの差はあるにせよ、構造的に定着していくことになるであろう。
先進国でも後進国でも、公的なお金をどのように使うかということが問題になっている。医療費は、将来的には技術革新によって低下するのではないかとの仮説もあるが、ジョン・イーグルハートの編集する政界的な医療政策雑誌「Health Affairs」の特集では、高齢者と慢性疾患のために、むしろ医療費は上がっているという結論が示されている。公的なお金をどのように使うか、アロケーションについては国民が決めなければならない。たとえば日本では、既に世界最高水準にある平均寿命を2歳のばすために多額の金額をつぎ込んでいる。海外では、終末医療よりも少子化対策によりお金を使うべきだという意見を持つ国もある。
日本医療政策機構では、このアロケーションの問題について世論調査を行っており、2月18日のシンポジウムで発表する予定。是非いらしていただきたい。
アロケーションの問題は、国内にとどまらず、グローバルな医療問題への取り組み方についても当てはまる。事実としては、アジアの保健衛生に対してはどの国よりも資金を拠出しており、またミレニアムデベロップメントゴールには、イギリスの7倍の資金を拠出している。しかし、このことはあまり知られておらず、ミレニアムデベロップメントゴールなどは、ブレア首相のリーダーシップが目立っている。国内外に知ってもらう活動も必要だろう。そして、日本人が、自分のため、地域のため、国のため、そして世界のために、どのようなアロケーションを行うかということは、日本人の価値観と直結する問題であり、一人ひとりが考えを深めることが求められていると思う。
(要旨)
医療制度構造改革が終盤を迎えているが、医療費の総枠についての財政的調整が中心となり、医療の質を上げコストを下げるための具体的な施策が不足している。しかし、政策立案プロセスについては評価できる。今回の改革は、官邸および経済財政諮問会議(内閣府)によって進められており、従来の族議員・役所・業界団体の「鉄のトライアングル」中心の意思決定から大きく変わった。今後はこのように、官邸主導の政策立案が、一時的な勢いの差はあるにせよ、構造的に定着していくことになるであろう。
先進国でも後進国でも、公的なお金をどのように使うかということが問題になっている。医療費は、将来的には技術革新によって低下するのではないかとの仮説もあるが、ジョン・イーグルハートの編集する政界的な医療政策雑誌「Health Affairs」の特集では、高齢者と慢性疾患のために、むしろ医療費は上がっているという結論が示されている。公的なお金をどのように使うか、アロケーションについては国民が決めなければならない。たとえば日本では、既に世界最高水準にある平均寿命を2歳のばすために多額の金額をつぎ込んでいる。海外では、終末医療よりも少子化対策によりお金を使うべきだという意見を持つ国もある。
日本医療政策機構では、このアロケーションの問題について世論調査を行っており、2月18日のシンポジウムで発表する予定。是非いらしていただきたい。
アロケーションの問題は、国内にとどまらず、グローバルな医療問題への取り組み方についても当てはまる。事実としては、アジアの保健衛生に対してはどの国よりも資金を拠出しており、またミレニアムデベロップメントゴールには、イギリスの7倍の資金を拠出している。しかし、このことはあまり知られておらず、ミレニアムデベロップメントゴールなどは、ブレア首相のリーダーシップが目立っている。国内外に知ってもらう活動も必要だろう。そして、日本人が、自分のため、地域のため、国のため、そして世界のために、どのようなアロケーションを行うかということは、日本人の価値観と直結する問題であり、一人ひとりが考えを深めることが求められていると思う。
申込締切日:2005-11-30
開催日:2005-12-01
調査・提言ランキング
- 【論点整理】ラウンドテーブル・ディスカッション「社会課題としての更年期女性の健康推進」(2024年11月19日)
- 【政策提言】「災害級の暑さ」への備えを骨太の方針2025に(2025年6月9日)
- 【政策提言】成長戦略としての「プラネタリーヘルス」の統合に向けて~新しい資本主義実行計画(2025年改訂版)への提案~(2025年6月9日)
- 【調査報告】「2025年 日本の医療に関する世論調査」(2025年3月17日)
- 【調査報告】メンタルヘルスに関する世論調査(2022年8月12日)
- 【政策提言】「がん遺伝子パネル検査への患者アクセス保障と保険外併用療養費制度活用にあたっての留意点」(2025年4月28日)
- 【調査報告】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」
- 【論点整理】血液疾患対策推進プロジェクト「血液疾患対策の推進に向けた現状の課題と展望」(速報版)(2025年6月13日)
- 【政策提言】肥満症対策推進プロジェクト2023「患者・市民・地域が参画し、協働する肥満症対策の実装を目指して」(2024年4月8日)
- 【政策提言】フェローによる政策提言プラットフォームプロジェクト「日本における『医薬品の費用対効果評価』のより良い活用に向けて」(2025年5月7日)
注目の投稿
-
2025-01-31
【提言】フェローによる政策提言プラットフォームプロジェクト「日本の国際保健政策と国内プロセス」報告書(2025年1月31日)
-
2025-07-04
【申込受付中】(オンライン開催)第136回HGPIセミナー「精神保健研究におけるPPIの現在地とこれから ― TOGETHERプロジェクトに学ぶ共創のかたち ―」(2025年7月28日)
-
2025-07-04
【開催報告】循環器病対策推進プロジェクト オンライングローバルシンポジウム 「アジア・太平洋地域の政策事例とともに考える、これからの循環器病対策」(2025年3月13日)
-
2025-07-04
【HGPI政策コラム】(No.62)―認知症プロジェクトよりー「国際社会の認知症施策の現在地 2025」
-
2025-07-04
【政策提言】フェローによる政策提言プラットフォームプロジェクト「日本における『医薬品の費用対効果評価』のより良い活用に向けて」(2025年5月7日)