【開催報告】医療政策サミット2015 「高齢先進国日本が迎えた分岐点~グローバルモデルか、ガラパゴスか~」
日付:2015年2月23日
10:00-10:10 オープニング
10:10-12:00 セッション1 高齢化と医療のサステナビリティ
医療の持続可能性、改革の方向性、支払制度などについて3人のパネリストが熱い議論を展開しました。
■セッション趣旨
先進諸国の多くにさきがけて少子高齢化と人口減が進行する中で、従来国民が享受してきた医療サービスの提供体制を継続・改善し、さらに人口構成の変化に対応してサービス内容を充実させていくには何が求められるか。加えて、社会保障制度全体を財源面で維持し、支えていくにはいかなる方策が求められるか。この課題解決の方向性を示すことができれば、わが国は世界に向けて今後目指すべきモデルの一つを提供しうる。これに向けて、支払い制度、医療技術評価、サービス内容のコントロール、サービスの担い手の確保、終末期医療の在り方、医療コストの抑制と分担の仕組み、財源確保のための打ち手などのファクターを勘案しながら多面的に検討し、望ましい政策の大枠を明らかにする。
■パネリスト
伊藤 元重 (東京大学大学院経済学研究科教授)
関原 健夫 (公益財団法人日本対がん協会 常務理事)
野木森 雅郁(アステラス製薬株式会社 代表取締役会長)
宮田 俊男 (日本医療政策機構 エグゼクティブディレクター)
12:10-12:50 ランチセッション 日本医療政策機構の活動報告
当機構小野崎が日本医療政策機構のこれまでの10年の活動を振り返りました。
小野崎耕平(日本医療政策機構 理事・事務局長)
12:50-14:40 セッション 2 開かれた医療とUHC、先端医療促進
セッション1に引き続き、医療保険制度のあり方、先端技術の促進、日本医療研究開発機構の展望などについて議論しました。
■セッション趣旨
現政権は、総選挙後もひき続き、成長戦略の柱として、国民が必要とする最先端の医療が受けられる社会の実現を目指している。TPPが混合診療のどこまでの拡大につながるのか、あるいは国民皆保険制度の維持をどれほど難しくするのかについては、いまだ識者の間に様々な見解が見られる。一方、開かれた市場、自由度の高い制度が一般に先端医療促進に資するとは考えられるものの、その具体的経路については合意が得られていない。また、先端医療促進には保険制度の維持のみならず、臨床研究の在り方の改善をはじめとして様々な手当てが必要となる。開かれた仕組みの中で国民皆保険制度を維持しつつ、先端医療も推進していくには、いかなる政策が求められるのか。その解を見出すことで、わが国の優れた制度の輸出を促進し、UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)を指向する国々に示唆を与えることができる。セッション1での議論も踏まえて検討する。
■パネリスト
末松 誠 (慶応義塾大学医学部長)
武田 俊彦(厚生労働省大臣官房審議官(医療保険担当))
横倉 義武 (公益財団法人日本医師会長)
石黒 光 (日本医療政策機構 理事)
14:50-16:40 セッション 3 国際連携がもたらす日本の未来
ユニバーサル・ヘルスカバレージ(UHC)、GHITファンドの意義、日本のグローバルな貢献に関する白熱した議論が展開されました。
■セッション趣旨
成長戦略等による研究開発実用化の推進は、積極的な世界市場展開や対内直接投資拡大をもたらしてきた。しかし、途上国・新興国においては非感染性疾患 (NCD)の急増や西アフリカにおける大規模なエボラ出血熱の発生など、未だ健康への深刻な脅威が数多く残る。経済成長はこれらの国の保健システム発展にどう関わっていのだろうか。国連では「持続可能な開発目標(SDG)」策定の最終段階でUHC達成が国際的アジェンダとなった今、各国で経済面のみならず健康面をも成長させるべく、日本はどのような国際連携やイノベーション創出モデルが期待されているのか。また、日本国内では現在もなお医療のサステナビリティやイノベーションの課題が多い中、日本が国際保健に目を向け、貢献する意義とは何か。セッション1 、2での議論を踏まえ、変化し続ける世界市場、日本の貢献、そして日本の国際貢献がなぜ国内外のステークホルダーにとって重要なのかについて議論する。
■パネリスト
渋谷 健司 (東京大学医学系研究科国際保健政策学教授、(社)JIGH代表理事)
スリングスビー B.T. (公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金CEO兼専務理事)
武見 敬三 (参議院議員)
スミス アン (日本医療政策機構シニアアソシエイト)
黒川 清 (日本医療政策機構 代表理事)
開催日:2015-02-21
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