活動報告 調査・提言

【政策提言】こどもの健康プロジェクト「幼稚園教諭・保育士等未就学期の保育者と保護者のメンタルヘルスケアの強化に向けて」(2023年2月7日)

【政策提言】こどもの健康プロジェクト「幼稚園教諭・保育士等未就学期の保育者と保護者のメンタルヘルスケアの強化に向けて」(2023年2月7日)

日本医療政策機構 こどもの健康プロジェクトでは、この度、政策提言「幼稚園教諭・保育士等未就学期の保育者と保護者のメンタルヘルスケアの強化に向けて」を公表いたしました。なお、詳細については下記PDFをご覧ください。

日本医療政策機構では、2020年度より、「こどもの健康」を重要な医療政策アジェンダの1つと位置づけ、こどもの健康プロジェクトを進めています。本プロジェクトでは、当事者をはじめとした国内外の当分野における産官学民のオピニオンリーダーや関係団体に広くお集まりいただき、アドバイザリーボードミーティングやヒアリング、専門家会合を開催すると共に、小中学生への介入調査を実施し定量的なデータをもとに、こどもの健康課題の中でも、とりわけ心身の発達にとって重要かつ、社会経済的課題とも密接なメンタルヘルスについて引き続き焦点をあて、健康政策における現状の課題や論点を抽出し、その課題に対する解決の方向性を検討してまいりました。これらを踏まえ、2022年6月には、本プロジェクトの初めての政策提言として「子どものメンタルヘルス予防・支援のための4つの提言~HGPIが考える子どものメンタルヘルス政策~」を公表しました。提言の中でも、こどもの健やかな成長には、人を中心に据えたライフコース全体で課題を捉え、妊娠期から出生、成人に至るまで切れ目のない包括的な支援の必要性について言及しています。また、子どもに関わる大人、特に支援職に就く全ての人へのメンタルヘルスに関する教育機会が、今後さらに提供される必要についても着目をしています。

2022年度は、2021年度に引き続き日本財団の助成を受け、こどもの健康課題の中でもとりわけ心身の発達にとって重要かつ、社会経済的課題とも密接なメンタルヘルスについて焦点をあて、未就学期からの支援体制構築や心の不調の早期発見、早期介入の機会がさらに設けられるよう、未就学期のこどもを支える幼稚園教諭や保育士の先生方のメンタルヘルスに関する教育プログラムの構築とプログラム実施による効果検証を実施いたしました。そして効果検証による結果を基に、家庭向け小冊子を作成したほか、こどものメンタルヘルス支援に必要な視点を政策提言として取りまとめ、政策立案者等に発信していくことで、こどもの健康増進に寄与することを目指しております。

 

■政策提言の概要

視点1:こどもの生活を支えるプロフェッショナルである幼稚園教諭や保育士に対する教育・相談支援の提供が必要である

1-1:幼稚園教諭・保育士養成課程において、エビデンスに基づくメンタルヘルスに関する更なる教育充実の必要性

1-2:幼児教育・保育の現場における、実用性のあるメンタルヘルス教育研修の定期実施の必要性

1-3:こどもや保護者に対する支援体制が持続的に提供できるよう、地域レベルでの支援・連携体制を構築し、施設に過度な負担がかからない仕組みを構築する必要性

1-4:幼稚園教諭・保育士の心のケアを目的とした専門家への相談体制の整備の重要性

 

視点2:子育てを担う保護者自身が、こどもと自らのメンタルヘルスについて理解を深め、自らのメンタルヘルスを大切にすることが必要である

2-1:保護者がこどもの心の発達・健康に関する情報に継続的に触れることができ、こどもについて適時適切な相談支援の機会を確保する必要性

2-2:保護者が自分自身のメンタルヘルスやストレスマネジメントに関する情報に継続的に触れることができ、自分自身の心のケアのために適時適切な相談支援の機会を確保する必要性

2-3:子育てを担う保護者が、子どもと自身のメンタルヘルスに関する情報を簡単に得られるよう、情報を一元化する必要性

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