【調査報告】がんゲノム医療に関する世論調査(2022年3月9日)
2022年3月8日、日本医療政策機構は、がんゲノム医療に関する世論調査の結果を発表しました。
今回の世論調査は、日本の全人口(年齢、性別、地域)を代表する1,000人を対象として、2021年10月に実施しました。
本調査では、自分あるいは家族のがん経験、がんゲノム医療の認知度及び理解度について尋ねました。
がん経験に関する回答では、誰も経験していない(77.1%)、家族が経験した(10.4%)、答えたくない(7.6 %)、自分が経験した(3.4%)、自分と家族が経験した(1.5 %)という割合でした。
がんゲノム医療の認知度及び理解度については、回答者のうち57.2 %が「がんゲノム医療を全く知らない」、38.6%が「聞いたことはあるが、内容はよく知らない」という結果となりました。わずか4.2%のみが「知っていて、内容をよく理解している」と回答しました。
また、今回の調査で、がんゲノム医療に関する認知度及び理解度は、自分や家族のがん経験に関わらず低く留まることが明らかになりました。がんゲノム医療を「聞いたことはある」人は平均約55%に留まっています。
がんゲノム医療が持つ以下の6つの特徴についてさらに質問をしたところ、がんゲノム医療を認識している人(「知っていて、内容をよく理解している」あるいは「聞いたことはあるが、内容は良く知らない」と回答した人)でも、がんゲノム医療の検査内容や時期、保険との関係等に対する理解度が低いことがわかりました。がんゲノム医療について「知っていて、内容をよく理解している」と回答した人42人のうち、わずか9人(21.4%)のみが下記のがんゲノム医療の特徴を全て正しく理解し、回答していました。
1. がんゲノム医療はどこの病院でも受けられるというわけではない
2. がん遺伝子パネル検査とは、数十から数百個の遺伝子の変化を一度に調べることでがん細胞の特徴を知り、個人に適した薬剤があるかどうかを調べる検査である
3. がん遺伝子パネル検査は一部が保険診療の対象となっている
4. がん遺伝子パネル検査が受けられるタイミングは一部に限られる
5. がん遺伝子パネル検査によって自分に最適な薬剤が見つかる確率は限定的である
6. 遺伝性のがんの可能性が判明することがある
当機構では、非感染性疾患の取組みの一環として、がん個別化医療に関して患者・当事者と共に分野を超えた議論の喚起、及び政策の推進に取り組んでいます。
本プロジェクトの詳細については、こちらをご覧ください。
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