【調査報告】薬剤耐性(AMR)の脅威に関する世論調査(2021年11月26日)
2021年11月26日、日本医療政策機構(AMRアライアンス・ジャパン事務局)は薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)に関する世論調査の結果を発表しました。
AMRとは、細菌(病原体)が抗菌薬の使用に伴い変化し、抗菌薬の効果が小さくなることです。
今回の世論調査は、2021年10月に日本の全人口(年齢、性別、地域)を代表する調査会社パネルのモニターである1,000人を対象に、オンラインで実施しました。
調査結果によると、回答者の約6割が新しい抗菌薬の研究開発を促進するために、保険料等の追加負担を許容しています。
日本では、11月は薬剤耐性(AMR)対策推進月間です。また、11月18日から24日までは、世界保健機関(WHO: World Health Organization)が定めた「世界抗菌薬啓発週間」となっています。今回の世論調査では、これらの取り組みを支援するため、AMRと抗菌薬に関する認知度についても調査を実施しました。
今回の世論調査の結果は、過去に当機構やAMR臨床リファレンスセンターが実施した調査の結果とも一致しています。
AMRについて基本的な知識を有している人の数は、ここ数年の間、40%前後にとどまっていることがわかりました。日本の公衆衛生と社会経済へ大きな脅威である「サイレント・パンデミック」たるAMRについて認知度を高め、AMR対策を推進するためには、引き続き一層の努力が必要です。
今回の調査で明らかになった政策立案者への重要なメッセージは、AMRに関する認知度を高めることが抗菌薬研究開発促進の支援に繋がるということです。AMRに関する知識をある程度持っている人は、新しい抗菌薬の研究開発を促進するために、より多くの保険料等を負担してもよいと答えた割合が高いという結果となりました。
当機構は、感染症関連学会、製薬・医療機器メーカー、市民団体の連携体である「AMRアライアンス・ジャパン」の事務局として、AMRに関する認知度向上とAMR対策の強化に長年取り組んできました。本プロジェクトの詳細については、こちらをご覧いただくか、info@hgpi.org までお問い合わせください。当機構は今後もAMRのような健康上の脅威から国民を守るための政策を推進していきます。
■AMRアライアンス・ジャパンとは
AMRアライアンス・ジャパンとは、国内感染症関連学会、医薬品・医療機器関連企業等が2018年11月に設立した、AMR対策をマルチステークホルダーで議論する独立したプラットフォームです。2021 年11月現在の構成メンバーは、MSD 株式会社、「子どもと医療」プロジェクト、塩野義製薬株式会社、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社、日本医師会、日本医真菌学会、日本医療薬学会、日本化学療法学会、日本環境感染学会、日本感染症学会、日本小児感染症学会、日本製薬工業協会、日本 TDM 学会、日本病院薬剤師会、日本薬学会、日本薬剤師会、日本臨床微生物学会、姫路市、ファイザー株式会社、日本医療政策機構(事務局)です。AMRアライアンス・ジャパンのウェブサイトは右記のQRコードよりご覧ください。
■11月はAMR対策推進月間です
毎年、日本では内閣官房が11月を「薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)対策推進月間」と、世界保健機関(WHO: World Health Organization)では11月18日から24日を「World Antimicrobial Awareness Week(WAAW)」として定めています。WHOでは、今年は「Spread Awareness, Stop Resistance」をスローガンとし、世界的に啓発活動や学修支援活動を予定しています。
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