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【論文発表】「ヘルスケアセクターのサステナビリティに関する産学民協働の可能性」が学術誌「環境経済・政策研究」に掲載(2024年3月31日)

【論文発表】「ヘルスケアセクターのサステナビリティに関する産学民協働の可能性」が学術誌「環境経済・政策研究」に掲載(2024年3月31日)

「ヘルスケアセクターのサステナビリティに関する産学民協働の可能性」が学術誌「環境経済・政策研究」に掲載されました。

本論文は、気候変動を踏まえたヘルスケアセクターのサステナビリティ確保の必要性と緊急性に焦点を当て、産業界、学術界、および民間団体の協働による取り組みの必要性と、その機運を醸成するために求められる効果的なアドボカシー手法を提案しています。本論考では、日本医療政策機構のプラネタリーヘルスプロジェクトによる取り組みをもとに執筆されています。当機構から主著者としてプログラムスペシャリスト 南谷健太、共著者として副事務局長 菅原丈二そして アドジャンクトフェロー 島袋彰が参加しました。

ポイント

  • 多様なステークホルダーのエンゲージメントと共同作業の重要性:持続可能なヘルスケアシステムを実現するためには、政府、民間企業、NGO、学術界など、さまざまなステークホルダーの積極的な参加と連携が不可欠であることを強調している。異なる視点や専門知識を持つ参加者が集まることで、より総合的で効果的な解決策が生まれる可能性がある
  • アドボカシーの内容及び手法:アドボカシーにおいて検討すべき項目として、(1)ヘルスケアセクターのサステナビリティ確保の必要性の積極的な提示、(2)気候変動への緩和策の提示、(3)気候変動への適応策の提示が挙げられる。各項目について、学術研究機関、民間企業、民間団体がそれぞれの強みを生かして協働することが期待される。また、具体的な手法として、意見交換会、シンポジウム、署名活動、マスメディアを通じた啓発、政策提言などが考えられる
  • 健康リスクを踏まえたサステナビリティ確保の必要性と緩和・適応:気候変動が人間の健康に与える影響を考慮に入れ、ヘルスケアセクターのサステナビリティ確保のための政策や戦略を策定することが重要である。また、緩和策としては、ヘルスケアセクターの温室効果ガス排出量が多いことを示した上で、病院設備、移動・交通、医薬品、サプライチェーンなどの分野での削減方法を提示することが効果的。適応策としては、各国の事例を参考に、サーベイランス強化や地域保健プログラムなどの具体的な政策を検討していくことが望ましい

 

本論考により、産学民が協働してヘルスケアセクターのサステナビリティ確保に向けた具体的なアクションを講じる際の理解を深めることを目指しております。日本でこの議論はまだ始まったばかりですが、産学民が一体となって前進するための一助となればと考えています。

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