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【開催報告】「産官学民で考えるがん個別化医療の未来」プロジェクト 第1回アドバイザリーボード会合(2021年12月14日)

【開催報告】「産官学民で考えるがん個別化医療の未来」プロジェクト 第1回アドバイザリーボード会合(2021年12月14日)

日本医療政策機構/NCDアライアンス・ジャパンは、「産官学民で考えるがん個別化医療の未来」プロジェクト 第1回アドバイザリーボード会合を開催いたしました。なお、本会合は新型コロナウイルス感染症対策を鑑み完全オンライン、また非公開で実施いたしました。

日本では2007年にがん対策基本法が施行されて以降、5年ごとの「がん対策推進基本計画」に基づいた包括的ながん対策が行われてきました。現在、第3期がん対策推進基本計画(2018年〜2022年)の下、分野別施策の柱の一つである「がん医療の充実」において、近年進歩が目覚ましい「がんゲノム解析技術を用いた個別化医療の推進」が求められています。がんゲノム情報に基づく診断・治療が広く可能になることで、個人に最適化された治療法を優先的に提供でき、患者の身体的・精神的負担の軽減に繋がると期待されています。

一方で、がん個別化医療の各論においては課題もあります。例えば、がんの発生に関わる複数の遺伝子の異常を調べる「がん遺伝子パネル検査」は、現在の保険診療下では一般的に標準治療を終えた患者さんのみが受けられます。検査後、治療を受けるまでに体調が悪化してしまうケースや、自身に合った薬剤が見つからないケースもあり、最適な治療に到達できる患者さんは10-20%と限られます。今後、検査の受検タイミングや回数、それらを支えるがんゲノム医療提供体制の均てん化、さらには公的財政との均衡など、様々な課題を解決していく必要があります。

そこで、日本医療政策機構/NCDアライアンス・ジャパンでは、国内外のステークホルダーとの連携による議論の喚起や、効果的な打ち手となる政策提言を行うため、本プロジェクトを立ち上げました。第1回のアドバイザリーボード会合では、当分野における産官学民のオピニオンリーダーや関係者にお集まりいただき、大きく4つの論点にフォーカスして議論いたしました。

①個別化医療(検査・治療)へのアクセスの向上
②持続可能な公的財政との均衡
③研究・開発のさらなる促進
上記①~③を取り巻く倫理的・法的・社会的課題(ELSI:Ethical, Legal and Social Issues)等の課題


■開催概要

日時:2021年12月14日(火)13:00-15:00
場所:Zoom を使用したオンライン開催
主催:日本医療政策機構(HGPI)


■第1回アドバイザリーボード会合ご出席者
(敬称略・順不同)
五十嵐 中(横浜市立大学 医学部医学科 健康社会医学ユニット 准教授)
今井 光穂(慶應義塾大学医学部 腫瘍センター 特任助教)
岩田 広治(愛知県がんセンター病院 乳腺科部長/副院長)
大津 敦(国立がん研究センター 東病院 病院長)
小杉 眞司(京都大学医学研究科 社会健康医学系専攻 医療倫理学・遺伝医療学 教授)
桜井 なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長)
角南 久仁子(国立がん研究センター 中央病院 臨床検査科)
津川 友介(カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部(内科)・公衆衛生大学院(医療政策学)准教授)
長谷川 一男(NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ代表)
眞島 喜幸(NPO法人 パンキャンジャパン理事長)
光冨 徹哉(近畿大学医学部 外科学講座 呼吸器外科部門 主任教授)
吉野 孝之(国立がん研究センター 東病院 消化管内科長)
秋月 玲子(ヤンセンファーマ株式会社 メディカルアフェアーズ本部 オンコロジー部 部長)
飯島 康輔(中外製薬株式会社 ファウンデーションメディシン事業部長)
江夏 総太郎(日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部 オンコロジー領域 本部長)

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