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【開催報告】日本医療政策機構・国際文化会館共催 ブラウン大学公衆衛生大学院メンバーとのグローバルヘルスセキュリティに関する専門家ラウンドテーブル(2025年9月5日)

【開催報告】日本医療政策機構・国際文化会館共催 ブラウン大学公衆衛生大学院メンバーとのグローバルヘルスセキュリティに関する専門家ラウンドテーブル(2025年9月5日)

日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、国際文化会館(IHJ: International House of Japan)と共催で、ブラウン大学公衆衛生大学院のアシシュ・K・ジャー氏らをお招きし、バイオセキュリティ、早期警戒のためのバイオレーダー(BioRadar)、パンデミックへの備えなどをテーマに、専門家ラウンドテーブルを開催しました。ジャー氏は、ブラウン大学公衆衛生学部 学部長であり、米国ホワイトハウスで新型コロナウイルス対策調整官を務められるなど、国内外において感染症危機対応を主導する世界的リーダーです。
本ラウンドテーブルでは、ジャー氏の基調講演に続き、政府、アカデミアなどから約40名の実務家・専門家が参加し、以下3名の第一線の専門家との意見交換が行われました。

  • ステファニー・サキ氏(ブラウン大学公衆衛生大学院 グローバルヘルスセキュリティ上級特別研究員/前ホワイトハウス・グローバルヘルスセキュリティ調整官)
  • ニッキ・ロマニク氏(ブラウン大学公衆衛生大学院 グローバルヘルスセキュリティ上級特別研究員/前ホワイトハウス・パンデミック準備・対応政策室 副室長)
  • アンディ・ウェバー氏(CSR上級研究員/元米国防総省 核・化学・生物防衛担当次官補)

その中で、主にバイオセキュリティおよび保健システムを強化するための実践的なアプローチについて議論が交わされました。特に、バイオサーベイランスシステムの構築、感染症など生物学的脅威の早期検知、迅速診断の実施、ワクチン・治療薬・医療機器の開発、そして健康危機時の効果的な対外コミュニケーションの実施などについて、その必要性について参加者とともに議論を深めました。また、バイオレーダーなどの早期警戒システム構想の展望や、産官学民による国際協力、日米連携の重要性についても闊達な意見交換行われました。

こうした議論の中、国際文化会館 理事長の近藤正晃ジェームス氏より、当機構と国際文化会館が公衆衛生および安全保障領域で協働していくことの重要性について触れられました。さらに、当機構 代表理事・事務局長の乗竹亮治より、感染症対策をはじめとした医療政策分野において、安全保障の視座が不可欠となる中、今後、地政学・地経学の専門性とシンクタンク機能を有する国際文化会館との連携をより一層深め、多様なプログラムを共に企画していくことを提案いたしました。最後に、閉会の辞として、前厚生労働大臣の武見敬三氏より、議題されたテーマに関する示唆に加え、本ラウンドテーブルの開催に対する謝意が述べられました。

 


 ■登壇者プロフィール

アシシュ・K・ジャー(ブラウン大学公衆衛生学部 学部長/元ホワイトハウスCOVID-19対応コーディネーター)
アシシュ・K・ジャー博士は、ブラウン大学公衆衛生学部の学部長であり、2022年にホワイトハウスCOVID-19対応コーディネーターを務めた公衆衛生の世界的リーダーである。パンデミック対策やワクチン開発、検査体制強化などで実績を上げ、科学的エビデンスに基づく政策提言で知られている。ハーバード大学で教授やグローバルヘルス研究所所長を歴任し、約300の研究論文を発表している。2013年に米国医学アカデミー会員に選出されている。

 

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