【開催報告】第10回認知症国会勉強会(2019年5月22日)
日付:2019年5月31日
タグ: 認知症
衆議院議員鈴木隼人氏が主催する超党派国会議員による「認知症国会勉強会」が開催されました。日本医療政策機構では、本勉強会の企画立案など運営のサポートをしています。
第10回では、「当事者を起点とした認知症にやさしい地域づくり」と題し、認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子氏にご登壇いただきました。永田氏からは、2019年は新たな認知症施策の政府大綱や認知症基本法の策定を控え、エポックメイキングな1年であるとしたうえで、日本国内の認知症の人の生きる姿・支援の在り方の歴史にについてご紹介いただきました。
これまでの歴史から、地域共生社会を築くには、認知症をめぐる文化のパラダイムチェンジが不可欠であるとのお話がありました。これまでのいわゆる「古い文化」とは、「認知症の人は何もできない、何もわからない」と考えられ、一方的に支援される立場であり、その日々は絶望的なものであるとされてきました。しかしこれからの「新しい文化」は、「認知症になっても自分は自分」であり、「わかること、できることはたくさんある」という考え方に基づいています。必要なのは本人が決めるための意思決定支援であり、支えられるだけでなく地域の大事な一員として活躍し、希望を持った日々を送ることができるというのが、これからの在り方です。地域全体がパラダイムチェンジするためには、自治体行政の役割が非常に重要であり、先進的な自治体を参考にしながら全国各地でその地域に住む当事者たちを中心に、地域づくりが行われるよう、法整備を含めた環境作りに向けて働きかけを続ける必要があると、ご示唆をいただきました。
一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループ(JDWG: Japan Dementia Working Group)など、当事者団体では積極的に認知症施策への提言を行っているほか、当機構の調査研究事業でも連携を行うなど、当事者視点での政策の実現に向けて機運が高まっています。
■勉強会趣旨
高齢化が進む日本では認知症の人が今後さらに増えていくことが予想され、その対策が喫緊の課題となっています。国は認知症に対する施策として認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を策定し力を入れて進めていますが、今後さらなる施策を検討していく必要があります。そのために認知症に対して強い関心と正しい現状認識と理解を持つ国会議員を一人でも増やすことが重要であると考え、超党派の有志国会議員を中心とした定期的な勉強会を開催することとなりました。
■概要
「当事者を起点とした認知症にやさしい地域づくり」
認知症介護研究・研修東京センター 研究部長
永田 久美子 氏
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