【開催報告】世界禁煙デー イブニング・セミナー 「~たばこ対策:これまでの教訓と科学的エビデンス~」
日付:2017年7月28日
タグ: HGPIセミナー
現在、政府を中心として、受動喫煙防止対策を強化する健康増進法改正案の議論が活発化しています。また、東京都も「Tobacco Free」(たばこの煙のない環境)でオリンピックを開催することに合意しています。日本医療政策機構では、2009年の緊急集会「たばこ政策の重要課題-健康増進と価格政策-」を主催し、広く国民を巻き込んだ議論を行っており、継続的にたばこ対策について提言活動や情報発信を実施しています。
そこで今回は、World No Tobacco Day(世界禁煙デー)を5月31日に控え、グローバルな視点かつマルチステークホルダーによる議論を通して、あるべきたばこ対策の今後の方向性を生み出すことを狙いとして、本セミナーを開催しました。セミナーでは、政策転換のモメンタムが高まっているたばこ対策について、科学的根拠に基づいたデータの提示、過去の政治的葛藤などからの教訓も共有することで、政策の論点を整理しました。多様な参加者が集った会場からも、提言やコメントが数多く寄せられました。これらの提言やコメントを踏まえて、以下の通り、議論のポイントを抽出したうえで、今後議論すべき論点を当機構が取りまとめました。
■着目すべき論点や科学的エビデンス(まとめ)
- 日本で、受動喫煙が原因とされる疾患によって亡くなる人の数は、1年間で約1万5,000人にのぼる
- 喫煙(能動喫煙、受動喫煙含む)に起因して増加した医療費は、年間約1億4,000万円にのぼる(2014年度)
- 受動喫煙対策は、上下水道や公害対策と同様に、必要性を示す科学的エビデンスが揃っており、世界的に認知された最低限の社会的インフラである
- 受動喫煙対策は、人命や健康に影響する公衆衛生上の政策であり、税収や経済効果の視点のみで議論すべきではない
- 免責規定の適用や罰則規定の未遵守といった、対策の形骸化を生む内容を盛り込むことなく、実効性の高い受動喫煙対策を実施すべきである
日時:2017年5月30日(火)19時00分~21時00分
会場:都市センターホテル 701会議室
主催:特定非営利活動法人 日本医療政策機構
参加者:報道関係者、政策立案者、省庁関係者、学術関係者、企業関係者など
プログラム:(敬称略・順不同)
19:00-19:10 開会の辞
小池 百合子(東京都知事)
19:10-20:15 パネルディスカッション
パネリスト
パネリスト
五十嵐 中(東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 特任准教授・日本医療政策機構 フェロー)津川 友介*(ハーバード公衆衛生大学院 研究員)*ボストン(米国)よりストリーミング出演松沢 成文(参議院議員・前神奈川県知事)三原 じゅん子(参議院議員)
モデレーター
小野崎 耕平(日本医療政策機構 理事)
20:15-21:00 質疑応答・総括
【メディア掲載】
5月30日(火) NEWS 23
5月31日(水) TBS NEWS「世界禁煙デー“受動喫煙”対策を、都知事らイベント参加」
他多くのメディアで掲載されました。
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