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【開催報告】予防接種・ワクチン政策 推進 プロジェクト 専門家会合「予防接種・ワクチン制度に関するより良い政策立案に向けて―予防接種の長期的な安全性調査に資する情報の基盤整備と利活用の視点から―」(2022年2月21日)

【開催報告】予防接種・ワクチン政策 推進 プロジェクト 専門家会合「予防接種・ワクチン制度に関するより良い政策立案に向けて―予防接種の長期的な安全性調査に資する情報の基盤整備と利活用の視点から―」(2022年2月21日)

日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、専門家会合「予防接種・ワクチン制度に関するより良い政策立案に向けて―予防接種の長期的な安全性調査に資する情報の基盤整備と利活用の視点から―」をオンラインにて開催しました。

予防接種・ワクチンは、「医学史上最高の発明」と称され、まさに今、この新型コロナウイルス感染症(COVID-19: Coronavirus Disease 2019)の流行下で、予防接種・ワクチンがもつ公衆衛生上の価値が国内外で再認識されている。世界保健機関(WHO: World Health Organization)も予防接種・ワクチンは最も費用対効果の高い公衆衛生学的な介入であると指摘しており、COVID-19の流行に代表される「有事」のみならず、「平時」にこそ、ライフコースアプローチに基づいた予防接種・ワクチン政策の推進が求められています。

研究開発体制等の市販前に関する検討が加速度的に進む一方で、市販後の長期的安全性の把握に向けた検討の歩みは緩やかです。新型コロナウイルスワクチンについては、医薬品等行政評価・監視委員会がレセプトデータ等を用いた安全性の評価の必要性を認めており、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会でも緊急時の薬事承認の文脈から、有効性と安全性を市販後に改めて確認する新たな制度を検討しています。現在政府が注力している開発・生産体制強化が結実し、より強力な変異株や今後脅威となりうる感染症に関するワクチンの早期実用化、自国民への大規模接種、国際供与等までもが極めて迅速に実現した場合、その後ろ盾として、市販後の長期的な安全性の担保は今以上に重要となります。また、国際供与等のワクチンの外交的価値を考慮すると、ある種のブランディングとしても長期的な安全性が担保されることの意味は大きいでしょう。

また、予防接種・ワクチンが「健康な人」を対象としている以上、新型コロナウイルスワクチンに限らず、予防接種・ワクチンの長期的な安全性を分析、評価し、政策を検証する仕組みは常に適切に運用される必要があります。長期的な安全性を検証する仕組みの再考は、予防接種・ワクチン政策を科学的に捉えることに他なりません。例えば、2021年11月にはHPVワクチンの積極的接種勧奨差し控えの終了が決定したが、過去に市販後の長期的な安全性等が課題となり、勧奨等が中断されたままの予防接種・ワクチンも少なくありません。そこで、あらゆる領域の専門家や政府が予防接種・ワクチンの長期的な安全性を科学的に分析、評価し、さらにはその情報を政策に展開できる仕組みが求められます。十分に科学的な情報が出揃うことで、ワクチンのベネフィットとリスクが一層鮮明になり、個人がワクチン接種の要否を自律的に判断できる環境が改善でしょう。

本会合では、ワクチンの研究開発の機運が盛り上がり、予防接種政策も大きな動きを見せている今、これまでの政策的な動きを振り返りながら、予防接種・ワクチンの長期的な安全性調査に資する情報の基盤整備と利活用の仕組みを再度検討いたしました。本会合での議論を元に、とりまとめ資料を作成し、今後のより良い予防接種・ワクチン制度に還元してまいります。

 

■概要

日時:2022年2月21日(月)18:00-20:00
会場:Zoomウェビナー
主催:日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)
言語:日本語(英語への同時通訳あり)


プログラム

18:00-18:05 開会の辞

  • 黒川 (日本医療政策機構 代表理事)

18:05-18:10 開催趣旨説明

  • 菅原 丈二(日本医療政策機構 マネージャー)

18:10-18:30 基調講演1 予防接種・ワクチン政策の前進と振り返りに求められる情報とは

  • 氏家 無限(国際感染症センター トラベルクリニック医長/予防接種支援センター長)

18:30-18:50 基調講演2 予防接種・ワクチンの情報を活用するための情報基盤とは

  • 大山 水帆(戸田市 企画財政部次長 兼 デジタル戦略室長(CDO)/総務省 地域情報化アドバイザー)

18:55-19:55 パネルディスカッション
予防接種の長期的な安全性調査に資する情報整備と利活用に求められる次の一手

パネリスト(順不同、敬称略):

  • 氏家 無限(国際感染症センター トラベルクリニック医長/予防接種支援センター長)
  • 漆原 尚巳(慶應義塾大学 薬学部 医薬品開発規制科学講座 教授)
  • 大山 水帆(戸田市 企画財政部次長 兼 デジタル戦略室長(CDO)/総務省 地域情報化アドバイザー)
  • 菅谷 明則(すがやこどもクリニック/特定非営利活動法人 VPDを知って、子どもを守ろうの会 理事長)
  • 多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症疫学センター 予防接種総括研究官)
  • 松本 愼次(欧州製薬団体連合会(EFPIA) 日本支部 ワクチン部会 部会長)
  • 山口 敏弘(厚生労働省 健康局 健康課 予防接種室 ワクチン対策専門官)

モデレーター:

  • 河野 (日本医療政策機構 アソシエイト)

19:55-20:00 閉会の辞

  • 古屋 範子(衆議院議員/国民の健康増進を推進する議員の会(ワクチン予防議員連盟)会長代行

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