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第3回朝食会「鎮守の森・お寺・福祉環境ネットワーク事始め」

第3回朝食会「鎮守の森・お寺・福祉環境ネットワーク事始め」
今回は、当機構理事の廣井良典が「鎮守の森・お寺・福祉環境ネットワーク事始め―「自然のスピリチュアリティ」とコミュニティづくり」をテーマに講演させていただきました。

(要旨)
本日のテーマにある「鎮守の森」は医療と関係がなさそうなテーマだが、最終的にはつながっている。最近の調査では、鎮守の森はCO2の吸収効果も、杉の多い産業林に比較して3.3倍であり、地域社会にとって欠かせない自然である。ところでヨーロッパを地方の列車等で旅すると、各々の集落には必ず教会があることに気付く人も多いだろう。日本の神社やお寺もそのような役割を担っている。しかし、西洋の教会は尖塔が空に高くそびえており、神に近づくことを志向するのに比較して、日本の寺社は建物自体はみすぼらしいが、こんもりとした森に抱かれているという違いがある。日本的な風土には鎮守の森がイメージしやすい。

それでは自然と医療はどのように繋がっていたのか。かつての日本では個人とコミュニティは深く結びついていた。しかしながらこの両者がどんどん離れていく現在、ケアとは個人をコミュニティ、自然そしてスピリチュアテイにつなげていくことではないだろうか。自然や八百万の神を意識することにより、物理的なものを超えて、人間と自然とを結びつけることができるのではないか。

現在は医療・福祉・環境・宗教、全てが縦割りであるが、本来は深く関連している分野である。これらを再びつないでいくためにはどうしたら良いだろうか。

事例研究としては、現代版・鎮守の森として神社を使ったプレイセンター・ピカソ(国分寺市)が挙げられる。行政が行う保育所ではなく、地域住民による保育の試みである。遊びを中心とするプレイセンターであるが、地域の高齢者が集まるコミュニティにもなっている。次に「NPOちんじゅの森」は、地域に伝わっている民話を、現代風の演劇にして保育所などで上演している。ホスピスと結び付ける試みも進めているが、私も「鎮守の森ホスピス」があってよいと思う。またお寺の活動としては、法然院(京都市)はよく紹介されるが、地域に開かれたコミュニティとしての役割を果たしている。

環境学習は住職が中心となり、檀家という閉鎖的なコミュニティではなく、本来のお寺の役割を果たすべく「森の教室」、「共生き堂」といった活動を行っている。神社やお寺に限らないが、高度成長期に忘れられていた空間は、貴重な社会資源として、地域の高齢者、世代間交流、空間の再利用、地域再生に活用すべく見直す段階だろう。

またキリスト教でも生者と死者の共同体という言葉あるように、コミュニティは本来死者をも含む言葉である。戦後の日本は経済成長と都市への人口大移動に伴い、コミュニティの中心にあったものを失ってきた。日本の今後の課題として、何を中心にしてコミュニティを再生していくのか、考える段階にあるだろう。

申込締切日:2006-02-17

開催日:2006-02-18


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