2022年07月05日

日本医療政策機構マネージャー 栗田駿一郎が、WHO神戸センター主催「WKCフォーラム2022 “保健医療制度の根幹を支える医療従事者の役割を再考する”」のパネルディスカッションに登壇しました。

本フォーラムは、世界保健機関(WHO: World Health Organization)が2021年に作成した「The WHO Global Strategic Directions for Nursing and Midwifery (2021–2025)」および国立国際医療研究センターが2022年に作成した日本語訳「看護と助産のグローバル戦略の方向性2021-2025」を踏まえ、2020 年以降続く新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) パンデミック対応のベストプラクティスやケーススタディを共有することを目指して開催されました。

栗田は、グローバル戦略の「教育・雇用・リーダーシップ・サービス提供」の4軸のうち、特に「雇用」にフォーカスし、発言しました。医療従事者全体の働き方改革の必要性や、医療機関の外に広がる看護職の役割の大きさ、さらには医療従事者の処遇改善に向けた多様な財源確保の在り方やそのための社会的合意を調達することの重要性を提起しました。

本パネルディスカッションの登壇者は以下の通り:
パネリスト:(敬称略)
ウイリアムソン 彰子(神戸大学医学部附属病院 副看護部長)
大田 えりか(聖路加国際大学 看護学研究科国際看護学 教授/聖路加国際大学 WHO プライマリーヘルスケア看護開発協力センター 部長)
岡田 悠偉人(ハワイ大学がんセンター 疫学専門家)
栗田 駿一郎(日本医療政策機構 マネージャー)
高山 義浩(沖縄県立中部病院 感染症内科 医師)
山下 輝夫(兵庫県 保健医療部長)

座長:
田村 豊光 (国立国際医療研究センター 国際医療協力局人材開発部 広報情報課長)
増野 園惠(兵庫県立大学地域ケア開発研究所 教授/災害健康危機管理 WHO 協力センター センター長 )

なお、本フォーラムの模様は、WHO神戸センターのウェブサイトにてご覧いただけます。

2022年06月29日

日本医療政策機構は、2022年6月10日に「特発性正常圧水頭症(iNPH)関連施策の課題と展望~治療で改善できる認知症へのフォーカス~」アドバイザリーボード会合を開催いたしました。

当機構認知症政策プロジェクトでは、2022年度の活動の1つとして、「特発性正常圧水頭症(iNPH)関連施策の課題と展望~治療で改善できる認知症へのフォーカス~」を実施しています。

日本における認知症の人の数はまもなく700万人を超えるとされる現代において、高齢期においてもよりよい生活を送るためには、認知症に伴う症状の緩和や原因疾患の治療が望まれています。認知症の原因疾患の多くは治療が難しいとされる中で、特発性正常圧水頭症(iNPH: idiopathic normal pressure hydrocephalus)は「治療で改善できる認知症」とされ、その患者数は認知症の人の約5%程度の約37万人に上るとされています。また近年では認知症の主要な原因疾患とされるアルツハイマー病との併発も指摘されており、推計よりもさらに多くのiNPH患者の存在が指摘されています。また、iNPHの適切な治療により得られる効果としても、寿命延伸のみならず、高い医療経済効果や転倒防止等、数多くのメリットが提起されつつあります。さらに「治療可能な認知症に対する医療のあり方に関する調査研究事業」も厚生労働省老人保健健康増進等事業で実施される等、政策的な重要性も徐々に高まりつつあります。

一方で、iNPHの治療によって認知症の症状を改善させ、1人でも多くの当事者が質の高い生活を送るためには、多くの課題も散見されます。第一に、的確な早期診断が重要となるが、他の認知症諸領域に比べて、iNPHに対する医療提供者の認知度は決して高いとは言えず、認知症疾患医療センターでの診断から診療所を含むかかりつけ医による診断まで、診断されるシーンも多岐にわたります。第二に、iNPHの場合、精神科や神経内科等の認知症専門医による診断後、脳脊髄液の流通が悪化した部分にカテーテルを留置し、腹部空間等へ持続的に脳脊髄液を排出することで脳への圧迫を除去するためのシャント術を行う脳神経外科医との連携等、専門領域をまたがる協働が必要となります。さらには、このような治療提供体制の拡充に向けては、地域格差も散見され、全国均てん化も期待されています。

このような多岐にわたる課題を社会全体で解決していくべく、本プロジェクトでは、iNPHに関わる医療者、アカデミア、産業界の他、患者当事者の方の参画も得て、産官学民のマルチステークホルダーによる議論を基に、必要な施策を洗い出し政策提言のとりまとめを予定しております。

今回のアドバイザリーボード会合では、3月に実施されたプレ会合における議論も踏まえながら、iNPH施策の推進に当たっての課題の整理や想定される打ち手について、医療提供体制をメインに、産官学民のマルチステークホルダーを交えて議論を行いました。

なお、会議は新型コロナウイルス対策を鑑み、WEB会議システムによって行われました。

 

アドバイザリーボードメンバー(敬称略・五十音順)

  • 石井 一成(近畿大学医学部 放射線医学教室 放射線診断学部門 主任教授)
  • 伊関 千書(山形大学医学部 内科学第三講座 講師)
  • 數井 裕光(高知大学医学部 神経精神科学教室 教授)
  • 佐藤 友哉(Integra Japan 株式会社 マネージャー 水頭症・認知症ケア推進担当)
  • 中島 円(順天堂大学医学部 脳神経外科学講座 准教授)
  • 柳石 学(日本メジフィジックス株式会社 営業本部 マーケティング部 中枢グループ)
  • 山田 茂樹(滋賀医科大学 脳神経外科学講座 病院講師)


当事者サポーター

  • T.S.(70代・男性)


オブザーバー

  • 中西 亜紀(厚生労働省 老健局認知症施策・地域介護推進課課長補佐 兼 研究開発係長 兼 老人保健課 厚生労働技官(認知症担当))
2022年06月29日

日本医療政策機構マネージャー 栗田駿一郎が、第23回日本正常圧水頭症学会にて特別講演を行いました。

「日本における認知症政策の現在地とiNPH診療の意義と展望」と題して行った講演では、「治療で改善できる認知症」とされる特発性正常圧水頭症(iNPH: idiopathic Normal Pressure Hydrocephalus)の政策的な進展に向けて、現在の認知症政策の概況を説明したうえで、政策過程のモデルを軸に、今後のiNPH政策の可能性についてお話いたしました。

現在、日本医療政策機構の認知症政策プロジェクトでは、「特発性正常圧水頭症(iNPH)関連施策の課題と展望~治療で改善できる認知症へのフォーカス~」と題したプロジェクトを推進しております。アドバイザリーボードメンバーや当事者サポーターと連携し、引き続き本課題に対する取り組み・政策提言を行ってまいります。

2022年06月27日

日本医療政策機構主催の第11期医療政策アカデミー第2回講義を開催しました。

第2回講義では、「医療政策の変遷・医療保険制度」と題し、東京大学大学院医学系研究科 前教授の小林廉毅氏より、日本の医療制度の特徴、医療の経済学的特殊性、医療保険の理論と実際そして今後の課題について、体験や国際比較などを交えてご講演いただきました。

Q&Aセッションでは、多様なバックグラウンドを持つ受講生の皆様から積極的にご質問いただき、業界や地域の壁を越えた活発な意見交換となりました。

第11期医療政策アカデミーは、豪華な講師陣からの講義と多様な受講生間での議論を通して医療政策の基礎知識を身に着けることを目的に、約半年間にわたり開講いたします。


第11期のプログラムや詳細はこちら

 


■関連する項目

【申込終了】医療政策アカデミー第11期 ※申込締切延長:2022年3月31日(2022年5月 開講)
【開催報告】第11期医療政策アカデミー 第1回「イントロダクション」(2022年5月26日)
【開催報告】第11期医療政策アカデミー6月学習会(2022年6月9日)

2022年06月24日

日本医療政策機構 こどもの健康プロジェクトでは、公益財団法人日本財団の助成金のもと、「子どもを対象としたメンタルヘルスプログラムの構築と効果検証」を実施し、報告書を公表いたしました。効果検証による結果と、シンポジウムにおける多様な専門職を中心とした議論を基に、子どものメンタルヘルス支援に必要な4つの提言を公表いたしました。

■子どものメンタルヘルス予防・支援のための4つの提言

提言1:
全ての小中学生に対して学校における実践的なメンタルヘルス教育の導入と継続的フォローアップを実施すべき

  • メンタルヘルス教育のさらなる充実に対する小中学生の高いニーズに応える必要がある
  • 予防的な観点から、全ての小中学生に対して同水準の認知行動療法に基づく教育を提供する仕組み作りが必要である
  • メンタルヘルス教育で習得した内容を小中学生の日常生活に根付かせるため、教諭・支援する心理師への研修を通じたメンタルヘルスリテラシーの向上と小中学生への継続的なフォローアップが必要である

提言2:
子どもの包括的なメンタルヘルス予防・支援のため地域での分野を超えた多職種連携を推進すべき

  • 子どものメンタルヘルス支援を学校や教諭のみに依存するのではなく、学校は外部との連携を強化し、より開かれた場所となるべきである。さらに地域・福祉・医療等の領域を超えた多職種での連携、社会全体での支援が必要である
  • 子どもに関わる大人、特に支援職に就く全ての人へのメンタルヘルスに関する教育機会が提供される必要がある
  • 子どもの健康に関するデータを分野や組織を超えて共有し、さらなる連携強化と効果的な支援・介入を推進すべきである

提言3:
社会経済的な家庭状況の差異に関わらず、全ての子どもにメンタルヘルス予防、早期発見・介入が届く体制を構築すべき

  • 就学後の健康診断、特に思春期健診によるメンタルヘルス課題の早期発見・介入とデジタル技術を用いたメンタルヘルス支援には社会経済的な家庭状況に関わらず教育・医療・福祉等の支援の狭間を埋める可能性があり、今後さらにエビデンスに基づき頒布、拡大するべきである
  • 専門家による正しい情報提供と若い世代のメンタルヘルスに関する経験談の発信を促進し、子どもを含めた人々へメンタルヘルスに関する当事者意識を喚起するべきである

提言4:
小中学生のニーズに合わせた政策の推進を目的に、省庁間・領域間の分断をなくし、エビデンスに基づいて効率的に資源を配分・活用すべき

  • 課題の切り分けや別々の省庁や部署での対応ではなく、人を中心に据えたライフコース全体で考えメンタルヘルス政策を推進するべきである
  • 科学的エビデンスに基づいた長期的なメンタルヘルス対策の制度設計を実施するべきである

 


■関連する項目

2021年12月16日 こどもの健康プロジェクト 第1回専門家会合 「こどもの権利を尊重したメンタルヘルス教育プログラムとサポートシステムの構築」~こどものメンタルヘルスに対するライフコースアプローチを考える~

2022年3月17日 こどもの健康プロジェクト 第2回専門家会合 「こどもの権利を尊重したメンタルヘルス教育プログラムとサポートシステムの構築」~こどものメンタルヘルスに対する教育現場の課題と解決に向けた方策~

2022年6月16日 「子どもを対象としたメンタルヘルス教育プログラムの構築と効果検証」報告書公表

2022年06月20日

2022年1月13日、AMRアライアンス・ジャパン(事務局:日本医療政策機構)は、国際連携を含む薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)に関する国際動向について現状を共有するとともに、今後のAMR対策の強化の見通しについてラウンドテーブルディスカッションを開催し議論しました。

武見敬三氏(参議院議員/世界保健機関 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ親善大使)に開会の辞をいただいた後、Liz Tayler氏(世界保健機関 3機関共同事務局(国際連合食糧農業機関および国際獣疫事務局とともに運営) テクニカル・オフィサー)、菅井基行氏(国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター(WHOコラボレーティングセンター) センター長)、市川伸子氏(欧州復興開発銀行 シニア・環境・アドバイザー)にパネルディスカッションとQ&Aセッションによりご討論いただきました。


エグゼクティブサマリー

  1. AMRは20世紀に大幅に進んだはずの現代医学を後戻りさせます
  2. 気候変動と同様に、AMRは社会経済全体に影響を及ぼす問題です
    この「サイレント・パンデミック」の脅威をいかにして人々に共有するかという課題に、世界は直面しています
  3. AMR対策は国際的潮流になっています
    AMR問題は、今後も国際的な政策アジェンダの最上位として位置づけられなければなりません
  4. 世界の感染症対策には、最も脆弱な国々での対策が不可欠です
    国際協力・開発援助のリーダーである日本は、アジアをはじめ世界の医療システム強化に向けて重要な役割を担っています


本シンポジウムの背景や詳細については、下部PDFをご覧ください。
なお、本報告書の内容は本ディスカッションの議論に基づき、主催者であるAMRアライアンス・ジャパンが論点を抽出し、中立的に取りまとめたものであり、必ずしも登壇者の意見を代表するものではありません。



新型コロナウイルス感染症(COVID-19: Coronavirus Disease 2019)は、感染症という課題の難しさと厳しさを世界に知らしめ、感染症対策があらゆる分野と相互に関連していることを浮き彫りにしました。各国のCOVID-19対策は、新たな変異株の出現、治療法やワクチンへのアクセス、世界の社会経済活動等、自国以外の課題にも大きな影響を与えており、感染症という健康危機は一国では対処できない、まさにグローバルな課題です。今回のパンデミックから立ち直り、次の危機に備えるために、感染症対策の強化に向けて世界的に取り組む必要があります。

世界的な感染症対策の強化に向けた取り組みが必要であることは間違いありません。なぜなら、次なる感染症危機として既に「薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)」が存在しているからです。AMRとは、感染症の原因となる微生物が時間の経過とともに治療に対して耐性を持つようになる、自然発生的なプロセスです。この問題によって、本来であれば治せるはずの感染症が治せなくなります。実際に、世界中で毎年120万人の命が既に奪われています。これは、HIV/AIDSやマラリア等による年間死亡者数を上回る数字です。日本では、年間8,000人がAMRによる感染症で死亡していると推定されており、その数は年間の交通事故死者数の2倍以上にも相当します。もし世界がこの問題に真剣に取り組まなければ、2050年までに世界で毎年1,000万人もの人々がAMRに関係することが原因で死亡する可能性があり、そのうちの40%以上がアジアで発生すると考えられています。そうならないためにも、この地域の国々はAMR対策に一丸となって取り組まなければならないでしょう。

日本は常に国際協力におけるリーダーとして、保健分野では人間の安全保障やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ実現に向けた取り組みを強力に推進してきました。経済協力開発機構の開発援助委員会が発表した統計によると、日本は保健分野への支援国として世界第4位であり、2018年には1,027億円を拠出しています。

感染症危機が社会や開発目標の達成に大きな影響を与えることがCOVID-19で明らかになった今は、開発援助が優先すべき課題を再考する時期と言えます。感染症対策は、健康な社会を実現するための基盤となるものです。どの国も単独では感染症問題に対処できません。今後、AMRに対する世界の防御力を高めるためには、各国の政策基盤の底上げが重要になります。日本を含む世界中の人々を守るためには、医療システムの強化と健康の安全保障のための国際協力の拡大が不可欠です。

本シンポジウムでは、このような問題意識のもと、感染症分野、グローバル保健ガバナンス分野、ファイナンス分野の専門家が一堂に会し、国際連携を含めたAMRに対するグローバル・アクションの現状について共有しました。登壇者の皆様からは、今後の対応策の強化に関する見通しや、日本のグローバル・ヘルス・アジェンダにおけるAMR対策の位置づけに関して活発な意見交換が行われました。

■開催概要

  • 日時: 2022年1月13日(木)18:00-19:30
  • 会場: Zoomウェビナー
  • 主催: AMRアライアンス・ジャパン/日本医療政策機構
  • 言語: 英語/日本語(同時通訳あり)
  • 参加費:無料


■プログラム

18:00-18:05  趣旨説明
 Matt McEnany(日本医療政策機構/AMRアライアンス・ジャパン シニアマネージャー)

18:05-18:10  開会の辞
 武見 敬三(参議院議員/世界保健機関 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ親善大使)

18:10-18:20  プレゼンテーション:グローバルな視点 AMR対策のためにWHOが行っていること
 Liz Tayler (Technical Officer, Tripartite Joint Secretariat, WHO)

18:20-18:30  プレゼンテーション:日本が支援する継続的な国際協力の一例 – AMRサーベイランス
 菅井 基行(国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター センター長)

18:30-18:40  プレゼンテーション:AMR耐性のある開発への投資 – AMRに対してEBRDのアプローチ
 市川 伸子 (Senior Environmental Advisor, The European Bank for Reconstruction and Development)

18:40-19:30  ラウンドテーブルディスカッション

2022年06月17日

日本医療政策機構は、新型コロナウイルスワクチンを含む予防接種・ワクチン政策に関する世論調査の結果を発表しました。
今回の世論調査は、日本の全人口(年齢、性別、地域)を代表する1,000人を対象として、2022年3月に実施しました。

調査では新型コロナウイルスワクチン、および新型コロナウイルスワクチンに限らない予防接種・ワクチン政策全般について尋ねました。


本調査実施時の新型コロナウイルスワクチン接種状況に関しては以下の通りです。(図1・図2)

 

新型コロナウイルスワクチンの接種を決めた理由は以下の通りであり、2回目、3回目接種を終えた半数以上の方が、流行の収束、感染・発症・重症化予防の効果を高めるとともに身近な人への感染のリスクを減らすことを目的として接種を決めたと回答しています。(図3)

 

一方、新型コロナウイルスワクチン接種を考える上では、65歳未満(図4)/以上(図5)ともに副反応や効果・安全性に関する懸念が認められましたが、特に65歳以上で3回目接種を行なっていない方は副反応への恐怖についての回答が目立ちました。

 

 

新型コロナウイルスワクチンに関する下記の情報について「まったく問題ない」から「非常に問題である」まで評価する質問では、各質問において「全く問題ではない」「あまり問題ではない」とした回答の合計を比較したところ、 3回目接種をしている人々は、現在の情報のあり方に関して多くの選択肢について「問題ではない」と回答しています。一方で、「開発した企業別のワクチンの特徴」「国内における確保状況」「世界的な供給状態」などのワクチン生産・提供体制に関する情報や「妊娠に対する影響」「効果の持続期間」など接種後の影響に関する情報については研究・議論して解決することが必要な事柄であると感じている割合が高いという結果になりました。

 

 

新型コロナウイルスワクチンに限らない予防接種・ワクチン政策全般に関する質問

新型コロナウイルスワクチンに限らない予防接種・ワクチン政策全般に関する質問では、ワクチン接種が公費で実施されていることの認知度は約3割でした。日本国民の9割以上の方が公費でワクチンを接種している現状に対してその認知度は極めて低いことがわかりました。(図7)

 

予防接種法においては、定期接種対象疾患は接種対象期間が設定され、標準的な接種年齢以外でも接種可能期間内であれば一部または全額公費負担で接種可能です。また、長期療養を必要とする疾病の罹患等によりやむを得ず接種機会を逃した者は、快復時から2年間は定期接種の対象となります。しかし、その期間を超えた場合、または自己都合等の理由により接種対象期間外での接種を希望する場合は、任意接種の扱いとなり、接種対象者の自己負担が発生します。接種タイミングの遅れを取り戻すことをキャッチアップ接種と呼びますが、こうしたキャッチアップ接種の効果に関する認知度は1割強と低いことがわかりました。(図8)

 

当機構では、予防接種・ワクチン政策の進展に向けた活動を行っています 。プロジェクトの詳細については、こちらをご覧ください。

2022年06月16日

日本医療政策機構の2022年1月~3月の活動をまとめた最近の活動(2022年1月~3月)を公開しました。
こちらからご覧いただけます(PDFファイル)。

過去の取り組み、年報はこちらからご覧いただけます。

2022年06月16日

日本医療政策機構 こどもの健康プロジェクトでは、「子どもを対象としたメンタルヘルスプログラムの構築と効果検証」の報告書を公表いたしました。

昨今子どもを取り巻く医療の在り方は、医療政策課題の大きなテーマとなっています。全ての妊産婦の妊娠期から子育て期、そして子どもの出生後から成人期までの成育過程において切れ目のない医療・福祉等の提供、支援が求められています。これを受けて、2019年には成育基本法が施行され、さらには2023年のこども家庭庁設立が2021年12月に閣議決定されるなど政策面でも大きな動きが期待されています。当機構においても、2020年度よりこの社会的モメンタムを促進し、我が国の子どもの健康に貢献すべく、国内外のステークホルダーとの連携による議論の喚起や、調査研究によるエビデンス創出に基づく政策提言を行うべく、子どもの健康プロジェクトを立ち上げ、活動を進めてきました。

2021年度より、子どもの健康課題の中でも、とりわけ深刻かつ、社会経済的課題とも密接なメンタルヘルスについて、当機構の成人を含めたメンタルヘルスプロジェクトで得た知見をもとに、さらに発展させるべく「子どものメンタルヘルス」に関する取り組みをスタートしました。近年、日本の子どもの自殺率や虐待といった社会心理的な背景に基づく健康への影響は深刻さを増しています。また、先進国の中で、精神的幸福度は最下位、子どもの5人に1人は精神的な問題を抱えているといわれ、メンタルヘルス対策は喫緊の課題です。しかし、義務教育において具体的な知識や対応スキルを得るための実践的な教育は十分ではなく、全国的なプログラムの構築と実施が早急に求められています。

そこで日本医療政策機構 こどもの健康プロジェクトでは、こども自身がメンタルヘルス予防対策を行うことができることを目指し、複数の専門家の意見を収集した上で、小中学生向けのメンタルヘルスプログラムを構築しました。それを基に、都内小中学生約240人を対象に教育介入を行い、介入前後の効果を測定するためにアンケート調査を行いました。また2回の産官学民マルチステークホルダーによる専門家会合を実施し、子どものメンタルヘルスを取り巻く政策課題や具体的な方策について多職種で検討を行いました。

本事業の結果から、小中学生のメンタルヘルスケア教育へのニーズや教育介入の効果、および、メンタルヘルスに関する支援ニーズが明らかになると共に、こどものメンタルヘルス政策において、予防のための学校における教育機会の提供や、ライフコースアプローチを実践していくための省庁横断の政策推進の必要性などが示されました。


■小中学生を対象としたメンタルヘルス教育介入効果における注目すべき調査結果

【小中学生のメンタルヘルス教育へのニーズ】

  • 93%の小学生と96%の中学生が今回受講したメンタルヘルス教育の内容を「実際に使えそうな場面が想定できる」と、90%の小学生、97%の中学生が「役に立ちそう」と回答
  • 97%の小学生と100%の中学生が「再度このようなメンタルヘルス授業を受けてみたい」と回答

【小中学生へのメンタルヘルス教育の効果】

  • 授業後3か月の間で、「授業を受けてから嫌な気持ちになる場面があった」と考える小中学生のうち、約40%~50%が「うまく対処できた」と回答
  • 授業後3か月の間で、「授業を受けてから困っている家族や友達を助ける場面があった」と考える小学生のうち約80%、中学生のうち約40%が「助けることができた」と回答

【小中学生のメンタルヘルスに関する支援ニーズ】

  • 「今、抱えている不安や悩み」に関しては、小中学生ともに「未来」や「コロナ」という回答が最多
  • 「相談相手」としては、小中学生ともに「友達」や「親」とする回答が最も多かったが、それらと並んで「相談しない」という回答も多く(3か月後:小学生28%、中学生41%)、人知れず悩みを抱えている様子が明らかになった


また、本プロジェクトでは、学齢期の子どもとその保護者、学校の先生方、その他、様々な形で子どもたちを支援する立場の方々向けに、ストレスとうまく付き合うための方法やその支援方法等をまとめたパンフレットを作成しました。

報告書全文とパンフレットは、下記PDFをご覧ください。


専門家会合の詳細については、こちらをご覧ください。

2021年12月16日 こどもの健康プロジェクト 第1回専門家会合 「こどもの権利を尊重したメンタルヘルス教育プログラムとサポートシステムの構築」~こどものメンタルヘルスに対するライフコースアプローチを考える~

2022年3月17日 こどもの健康プロジェクト 第2回専門家会合 「こどもの権利を尊重したメンタルヘルス教育プログラムとサポートシステムの構築」~こどものメンタルヘルスに対する教育現場の課題と解決に向けた方策~

2022年06月14日

日本医療政策機構主催の第11期医療政策アカデミー6月学習会を開催しました。

6月学習会では、「後期高齢者医療における所得に応じた自己負担割合(所得200万円以上の方の自己負担2割へ)について」を論点とし、世代間や所得の公平性、医療システムの持続性、そのエビデンスなどについて、活発な議論が行われました。

第11期医療政策アカデミーは、豪華な講師陣からの講義と多様な受講生間での議論を通して医療政策の基礎知識を身に着けることを目的に、約半年間にわたり開講いたします。


第11期のプログラムや詳細はこちら

 


■関連する項目

【申込終了】医療政策アカデミー第11期 ※申込締切延長:2022年3月31日(2022年5月 開講)

【開催報告】第11期医療政策アカデミー 第1回「イントロダクション」(2022年5月26日)

2022年06月13日

日本医療政策機構 マネージャー今村優子は、一般社団法人 日本家族計画協会(会長:北村邦夫氏)主催の「第18回女性保健医療セミナー」にて、「世論調査結果からみる全国で活躍する産婦人科医への期待」と題して講演を行いました。

講演では、女性の健康プロジェクトチームが2022年3月に公表した「現代日本における子どもをもつことに関する世論調査」の結果を紹介し、男女における妊孕性や不妊症、さらには女性特有の健康リスク等に関する社会全体のヘルスリテラシーに向上の余地があること、子宮内膜症等の診断や治療の有無、婦人科の初診時期と子どもを望む人が子どもをもつこととの関連を踏まえ、下記4つの提言について述べました。

視点1: ヘルスリテラシー向上のための支援の強化

視点2: 婦人科へのアクセス向上のための体制整備

視点3: 子どもをもちたい人のための経済的支援、働き方改革の推進

視点4: 子どもと触れ合う機会の提供や地域で支えあう仕組みの促進

講演後は会場、オンラインにて参加した約100名の産婦人科医らとのグループ討論、質疑応答が活発に行われました。

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