2024年04月26日

<POINTS>

  • スコットランドでは、議員連盟(Cross-party Group)の中で、疾患横断的な患者・市民、痛みのケアに携わる幅広い医療福祉提供者等の意見を集約し、慢性の痛みは疾病負荷が高く優先度の高い政策であることが発信された。
  • スコットランド政府内の会議体(National Advisory Committee for Chronic Pain)に多くの当事者委員が関与し、痛みを抱える当事者のニーズに基づいた政策が検討された。
  • 会議への参画を通した声の収集に加えて、実態調査や第3セクターの活動を通して、幅広い当事者や医療提供者の声が政策に届けられた。
  • 幅広い原因による痛みに対応すべく、難治性の痛みだけでなく、慢性疾患に付随することも多い複雑度の低い痛みを包含した政策が検討された。

はじめに

近年では、神経科学の発展等により、痛みの機序の解明、またその治療に関するエビデンスの集積が進んでいます。一方で、最新の疼痛科学に基づいた治療へのアクセスが限られていることや提供体制の整備の遅れが、世界中で指摘されています。主に先進国において、最新の疼痛科学に基づき、一人ひとりの状態に合った疼痛治療を普及すべく、これまでの疼痛対策を見直し、痛みに関する国家戦略(National Pain Strategy)を策定する動きが進んでいます。

日本では、2014年に慢性の痛み対策に関する議員連盟が設置され、慢性の痛み対策基本法の制定を目指して議論がされてきました。また、2023年度からは、この基本法の制定を目指し複数の患者団体が後援・協賛する署名活動が行われるなど、日本でも国家戦略の策定を目指す取り組みが行われています。一方で痛みに関する政策は、痛みの原因となる疾患が多岐にわたり、またその治療・ケアも、複数の診療科・職種によって提供されるため、多くのステークホルダーによる議論や合意形成が必要とされ、政策の推進に向けては、マルチステークホルダーでの更なる議論が求められます。

国家戦略を取りまとめた国々では、どのように多くのステークホルダーとの対話を進め、政策を取りまとめたのでしょうか。今回は、2022年に慢性の痛みに対する国全体の指針として「疼痛マネジメントサービスの提供に関するフレームワーク(Framework for pain management service delivery)[i]」や、本フレームワークの「実装戦略(implementation plan)[ii]」を取りまとめたスコットランドの事例を紹介します。

 

スコットランドにおける疼痛マネジメントサービスモデルとフレームワークの概要

スコットランドサービスモデル

2022年に取りまとめられたフレームワークの基盤となる、痛みに対するスコットランドサービスモデルが、2014年に取りまとめられました(図1)[iii]。このモデルでは、サービスの提供主体から、疼痛マネジメントサービスを以下の4つの段階に階層化し、痛みの要因や複雑度等に応じて適切なサービスが受けられることを目指しています。

  • レベル1:患者自身のセルフマネジメントを基盤とした、コミュニティでのケア
  • レベル2:複雑度の低い痛みに対する地域の総合診療医(GPs: general practitioners)やセラピストによるケア
  • レベル3:中程度の複雑度の痛みに対する専門的な治療、集学的な治療
  • レベル4:複雑度の高い痛みに対する高度な疼痛マネジメントプログラム

 

図1:スコットランドサービスモデルiii

 

疼痛マネジメントサービスの提供に関するフレームワーク(Framework for pain management service delivery

2022年に発表されたフレームワークでは、上述のスコットランドサービスモデルのような、一人ひとりの状態に合わせたケアの提供体制を強化するために必要な今後必要なアクションを整理しています。当事者のニーズを基に、マルチステークホルダーでの議論を重ねて導き出されたアクションには、A: 患者中心のケア、B: ケアへのアクセス、C: 安全で効果的な支援、D: サービス・ケアの質の改善の4つが掲げられ、これらを達成するための取り組みは現在も進められています。本コラムでは、スコットランドでは、どのようにして慢性の痛みに対する政策の推進に至ったのかを振り返り、日本への示唆を考えます。

 

フレームワークを策定の要因となった取り組み

  1. マルチステークホルダーの議論の場

慢性の痛みが政策課題として取り上げられ、フレームワークができた背景に、政府内にマルチステークホルダーの議論の場が設けられたことがあります。特に、2001年に設置された慢性の痛みに関する超党派の議員連盟(Cross-party Group on Chronic Pain)は、マルチステークホルダーの議論の場として重要な役割を果たしてきました。国会議員の政治的リーダーシップの下、痛みに苦しむ当事者を取り巻く現状の周知・啓発、より迅速かつ適切な治療・ケアの提供を目指して活動し、痛みに関連する幅広い患者・市民団体関係者、医療提供者、アカデミア、産業関係者等、これまでに200以上の個人または団体が参画しており、多くの関係者の議論の場となっています。また、行政での議論が進んでいる現在でも、立法府での議論のプラットフォームとして機能し続け、多くの関係者の声を政策に届けています。

2014年以降は、行政府の中にも痛み対策に関する議論の場が設けられました。2014年には、公衆衛生大臣によりNational Chronic Pain Improvement Group (NCPIG)が設置され、その後2017年には、スコットランド保健省内での会議体として、National Advisory Committee for Chronic Pain(NACCP)が設置されました。これらの会議体には、政府や医療機関の運営に関わる委員、学術関係者に加えて、多診療科・職種の医療提供者、幅広い疾患の当事者関係者が委員として参加し、合意可能な政策を検討してきました。

こうした体制は、2022年のフレームワーク策定後の実装の段階でも引き継がれています。関連する大臣へ直接情報を提供するPain management Task Forceには、医療福祉の提供に関わる幅広い関係者、さらには痛みを抱える当事者が参画しています。さらに、多様な当事者の声を届けるために、疼痛治療を経験した当事者パネル(pain management lived experience panel)[iv]の設置や、Health Improvement Scotlandを通した当事者の声の報告体制も整備されています。

 

図 2:フレームワークの実装に向けたガバナンスii

 

※NHS: National Health Service、HSCP: Health and Social Care Partnership、CfSD:the national Centre for Sustainable Delivery、HIS: Healthcare Improvement Scotland

 

  1. 疾患横断的な当事者の声を政策に届けるその他のメカニズム

市民団体を通した多様な声の収集

英国では、第3セクター(third sector)と呼ばれる市民団体によるチャリティ活動が盛んに行われています。例えば、NACCPで委員を担っていたPain concernは、痛みに関する情報を、当事者に分かりやすい形で発信したり、痛みに苦しむ人々に相談支援を提供したりしています。第3セクターは、一人ひとりの当事者への支援に加え、相談支援等の中で集積した当事者の声を政策に届ける重要な役割を果たしています。こうした第3セクターによる活動は、オーストラリアのChronic Pain Australiaをはじめ、他国でも行われており、痛みの政策の推進に貢献しています。

慢性の痛みに関する疫学調査

このようなプロセスを経て、当事者の幅広い声が政策に届けられてきた一方で、これらのプロセスで届けられる声は氷山の一角にすぎず、より幅広い患者・市民の実態を把握する必要性が認識されていました。スコットランドでは、フレームワークの策定時に様々な疫学調査の結果が考慮され、幅広い集団に関するデータに基づいた政策が検討されました。2019年に公表された代表的なレビュー[v]では、慢性の痛みの高い有病率と発生率を報告し、また、人口統計学的要因からライフスタイルや行動、臨床的要因、その他様々な要因に至るまでの、慢性の痛みの要因、そして、慢性の痛みがもたらしうる影響を整理しました。慢性の痛みの要因や影響が明らかになったことで、個人・集団の両レベルで、慢性の痛みの要因と影響に対する包括的な管理の必要性が示唆されました。それらの要因や影響は、メンタルヘルスを含む他疾患であることもあり、疾患横断的な対応が求められます。

 

日本への示唆

日本でも、議員連盟への複数の患者団体の参画や、複数の患者団体が後援する署名活動をはじめとした、疾患横断的な患者の声を届ける取り組みが始まっています。さらに、より多くの疾患の患者・市民の声を政策に届け、政策を推進するために、スコットランドをはじめ諸外国の活動を参考にしながら、痛みに特化した相談支援体制や当事者一人ひとりの声を集約する機能の強化、疾患横断的な疫学調査等による当事者のニーズの可視化を推進することが期待されます。

 

[i] Scottish Government. Chronic pain service delivery – draft framework: consultation. 2022. https://www.gov.scot/publications/draft-framework-chronic-pain-service-delivery/pages/1/(2024年2月24日閲覧)
[ii] Scottish Government. Framework for pain management service delivery implementation plan. 2022. https://www.gov.scot/binaries/content/documents/govscot/publications/strategy-plan/2022/07/framework-pain-management-service-delivery-implementation-plan/documents/framework-pain-management-service-delivery-implementation-plan/framework-pain-management-service-delivery-implementation-plan/govscot%3Adocument/framework-pain-management-service-delivery-implementation-plan.pdf(2024年2月24日閲覧)
[iii] Gilbert S, Holdsworth L, Smith B. The Scottish model for chronic pain management services. British Journal of Healthcare Management December 2014;20(12):568-577.  https://doi.org/10.12968/bjhc.2014.20.12.568(2024年2月24日閲覧)
[iv] Scottish Government. Scottish Government Pain Management Panel. 2022.  https://www.gov.scot/binaries/content/documents/govscot/publications/independent-report/2022/11/scottish-government-pain-management-panel/documents/scottish-government-pain-management-panel/scottish-government-pain-management-panel/govscot%3Adocument/scottish-government-pain-management-panel.pdf(2024年2月24日閲覧)
[v] Mills SEE, Nicolson KP, Smith BH. Chronic pain: a review of its epidemiology and associated factors in population-based studies. Br J Anaesth. 2019 Aug;123(2):e273-e283. http://doi.org/10.1016/j.bja.2019.03.023(2024年4月1日閲覧)

 

謝辞:

本コラムの取りまとめにあたり、ヒアリングにご協力いただいたBlair H. Smith氏(ダンディー大学 教授、前National Lead Clinician for Chronic Pain)、取りまとめにあたりご助言をいただいた Nicola Rhind氏(グランピアン疼痛マネジメントサービス 認定クリニカル理学療法士、National Lead Clinician for Chronic Pain)、スコットランド政府Chronic Pain Policy Teamの皆様に心より御礼申し上げます。

【執筆者のご紹介】

坂内 駿紘(日本医療政策機構 マネージャー)
磯田 水凜(日本医療政策機構 インターン)

2024年04月25日

日本医療政策機構の理事・事務局長/CEOである乗竹亮治は、2024年3月26日に、ロンドンで開催された世界認知症審議会(World Dementia Council)主催のWDC Summit 2024に登壇いたしました。乗竹は、認知症の新たな治療方法が、国内外での健康の平等性に与える影響について、パネルディスカッションに登壇し、講演しました。

「認知症の次の10年:治療から脳の健康へ」と題された2024年の世界認知症評議会サミットは、認知症の診断・治療をより早く、正確に行う必要性をメインテーマとして主催されました。政治家、政策立案者、研究コミュニティ、産業界、認知症の当事者、そして介護提供者などがスピーカーとして参加し、治療へのアクセスから生じる健康格差といった健康倫理の課題も取り上げられました。

詳細はこちら(英語のみ)

(写真: Pete Jones @pjproductions)

2024年04月25日

4月22日の地球の環境保護を支援する日である「アースデイ」を祝して、日本医療政策機構(HGPI)は、気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス(ATACH: Alliance for Transformative Action on Climate and Health)にパートナーとして加盟したことを正式に発表します。

ATACHは、2021年に開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)における国際的な議論と「COP26ヘルスプログラム(COP26 Health Programme)」に基づき、設立されました。このプログラムは、人間の健康を気候変動対策の最前線に位置づけ、各国に「気候変動に対する強靭な保健医療システム」と「持続可能な低炭素保健医療システム」の構築に対するコミットメントを呼びかけています。ATACHは、これらのコミットメントを行動に移すため、世界保健機関(WHO: World Health Organization)が事務局となり設立されました。

2024年4月現在、ATACHのコミットメントは80カ国以上の保健省レベルで表明されており、ATACHのパートナーはコミットメントを表明した国の保健省を含めた、30以上のパートナーが参画しています。これらのパートナーは、以下の5つのワーキンググループに参加することができます。

  • ファイナンシングワーキンググループ(FIN-WG: Financing Working Group)
  • 気候変動に対して強靭な保健医療システムワーキンググループ(CRHS-WG: Climate Resilient Health Systems Working Group)
  • 持続可能な低炭素保健医療システム(LCSHS-WG: Low Carbon Sustainable Health Systems Working Group)
  • サプライチェーンワーキンググループ(SC-WG: Supply Chain Working Group)
  • 気候行動と栄養ワーキンググループ(I-CAN-WG: Climate Action and Nutrition Working Group)

当機構はCRHS-WG、LCSHS-WG、SC-WGに参加する予定です。

2024年1月27日、ジュネーブで開催された第154回世界保健機関(WHO: World Health Organization)執行理事会で、日本政府代表団が「気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス(ATACH: Alliance for Transformative Action on Climate and Health)」に対する正式な関心を示しました。日本政府の正式なコミットメントとパートナーシップへの参加が期待されており、当機構としても可能な限り支援を実施してまいります。

気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス(ATACHとは:

ATACHは加盟国の要請に応じてWHOを事務局として設立され、意見や情報を共有し、技術的・政治的協力を強化し、国際的な優先課題となるように働きかけ、モニタリング、資金調達、知識の共有と技術支援などを参加している政府や組織に提供している。

 

 

 

2024年04月24日

日本医療政策機構 プラネタリーヘルスおよび薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)チームは、中央環境審議会 総合政策部会(事務局:環境省 大臣官房 総合政策課)による「第六次環境基本計画(案)に対する意見の募集」について、パブリックコメントを提出いたしました。

G7気候・エネルギー・環境大臣会合コミュニケ(2023年4月16日)で指摘されているとおり、気候変動・生物多様性の損失・環境汚染という3つの世界的危機は、経済・社会の混乱、健康への脅威、エネルギー危機などを引き起こし、あるいは悪化させています。日本としても、現在のみならず将来世代の「健康で文化的な生活」を確保するとともに、世界全体の人類のウェルビーイングに貢献するため、ネット・ゼロで、循環型で、ネイチャーポジティブな経済・社会への転換に取り組まなければなりません。

1993年11月、環境保全を通じて現在及び将来の国民の健康で文化的な生活、並びに人類の福祉に寄与・貢献するため、「環境基本法」が公布されました。また、同法に基づき、環境の保全に関する総合的かつ長期的な取組の大綱として、「環境基本計画」が制定されています。同計画は約6年に一度見直すこととされており、今般、第6次計画の策定に向けた検討が進められています。

パブリックコメントのポイント

  • 冒頭、地球の健康と人間の健康を一体不可分であるとする「プラネタリーヘルス」の概念が紹介されていることを歓迎する。
  • その上で、「プラネタリーヘルス」を個々の取組においても浸透させ、国民一人ひとり一人、とりわけ環境影響によって最も影響を受ける人々(避難民・高齢者・女性等)のウェルビーイングに貢献することが必要である。
  • 本計画に記載の取組の実施にあたっては、プラネタリーヘルスの視点が明記された「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」や、「グローバルヘルス戦略」「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」等の他の計画・戦略も踏まえて取り組むべきである。
  • 例えば、「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」に記載のとおり、気候変動・生物多様性の損失・汚染と他の地球規模課題(自然災害、健康危機等)との統合的解決を図っていくべきである。
  • また、特に、病院・製薬業界等ヘルスケア産業においては、医療・介護制度の持続可能性も踏まえながら、具体的な取組について議論し推進していく必要がある。
  • 薬剤耐性(AMR)対策に関しても、環境中における薬剤耐性菌に関する存在状況や抗微生物剤の残留状況を含む動向調査を強化しつつ、関連分野の専門職等への教育・研修等も推進する。

 

また、本計画の理念を推進するためには、省庁横断的な取組が必要です。したがって、より上位の方針、例えば「経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太の方針2024)」等にもプラネタリーヘルスの考え方を盛り込むことが重要であると考えています。

本件パブリックコメントに関し、詳しくはこちらをご覧ください。

2024年04月23日

酒類は、世界中の国々においてその土地の食文化の形成や伝統に深くかかわると共に、国家財政の税収上でも重要な役割を果たして来ました。しかし、飲酒による害はアルコール依存症をはじめとした精神疾患のみならず、がん、肝疾患、循環器疾患等の非感染性疾患(NCDs: Non-Communicable Diseases)といった身体疾患、また交通事故や暴力など多くの健康的・社会的に重大な結果をもたらすことが知られ、アルコールが引き起こす健康障害への対策の必要性が叫ばれています。

世界保健機関(WHO: World Health Organization)では、こうしたアルコールの健康および社会への影響を懸念し、2010年の世界保健総会において「Global strategy to reduce the harmful use of alcohol」が採択され、2013年にはアルコールによる非感染性疾患の予防を目的としたGlobal Action Plan 2013-2020(現在は2022-2030)を発表しました。これを受け、我が国においても2013年12月にアルコール障害対策基本法が成立し、本法に基づき、アルコール健康障害対策基本計画(以下、アルコール基本計画)が策定されました。こうして我が国全体としてアルコールによる健康障害への対策の推進に向かって歩み始めました。アルコール基本計画は、現在第2期(2021年-2025年)を迎えており、主に重点課題と10の基本的施策を定めて対策を推進しています。2024年2月には、本計画をうけて飲酒に伴うリスクに関する知識の普及の推進を目的として「健康に配慮した飲酒ガイドライン」が作成されました。

今回のHGPIセミナーでは、本ガイドラインの作成に向けた検討会の座長を務めた松下幸生氏にご登壇いただき、日本のアルコール健康障害対策の歩みと現状、また今回の飲酒ガイドライン作成の経緯から、今後の展望についてお話しいただきます。来年の2025年には、国内においてはアルコール基本計画の改定、また国外に目を移すと、国連総会ハイレベル会合においてNCDsが議論されます。当機構では、アルコールをはじめ、循環器病や腎疾患といったNCDs対策についての議論を継続しています。我が国の健康政策としてアルコール対策がどうあるべきかについて、皆様と共に考える機会としたいと思います。

 

【開催概要】

  • 登壇者:松下 幸生氏(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長/慶應義塾大学医学部精神神経科学客員教授)
  • 日時:2024年5月24日(金)18:30-19:45
  • 形式:オンライン(Zoomウェビナー)
  • 言語:日本語
  • 参加費:無料
  • 定員:500名

■登壇者プロフィール:

松下 幸生氏(国立病院機構久里浜医療センター院長/慶應義塾大学医学部精神神経科学客員教授)

慶應義塾大学医学部卒業。1988年より久里浜医療センター勤務。1993年から1995年まで米国国立衛生研究所アルコール乱用とアルコール依存研究所(NIAAA)勤務。1995年帰国。2011年久里浜医療センター副院長、2013年同センター認知症疾患医療センター長、2022年同センター院長。現在、慶應義塾大学医学部精神神経科学客員教授、アルコール健康障害対策関係者会議委員、飲酒ガイドライン作成検討会委員、文部科学省技術審査専門員。専門領域はアルコール依存症、ギャンブル依存症、認知症。



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2024年04月23日

一般社団法人官民共創HUBと日本医療政策機構は、社会保障・医療政策 若手人材 官民交流ラウンドテーブル第2回「課題解決のために官民で一緒に考える関係のつくり方を考える」を共同開催いたしました。

はじめに、株式会社キャンサースキャン代表取締役社長 福吉潤氏、厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課長 水谷忠由氏より、官民双方の知見をシェアしながら「一緒に考える」という対話の経験や、官民の関係構築のポイント等について、お話しいただきました。その後参加者から、それぞれの経験の中での好事例や課題認識を共有し、より良い医療政策の実現に向けて、官民連携の在り方等について議論を深めました。



一般社団法人 官民共創HUBについて

一般社団法人官民共創HUBは、官民(官公庁・地方自治体・行政法人・企業・大学・NPO法人・市民等を含む)の多様な関係者による対話を通し、社会に対する新たな価値の提供を共に創る活動(官民共創)を支援及び推進することを目的とした、環境整備及び施設運営並びにアライアンス組織との連携及び実践に係る支援等に関する事業を行う。中央日本土地建物株式会社が計画する虎ノ門イノベーションセンター構想におけるトライアル事業の業務を受託し、官民共創スタジオにおける官民共創支援運営業務を担っている。


特定非営利活動法人 日本医療政策機構について

日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、2004年に設立された非営利、独立、超党派の民間の医療政策シンクタンク。市民主体の医療政策を実現すべく、中立的なシンクタンクとして、幅広いステークホルダーを結集し、社会に政策の選択肢を提供。特定の政党、団体の立場にとらわれず、独立性を堅持し、日本国内はもとより、世界に向けても有効な医療政策の選択肢を提示し、地球規模の健康・医療課題を解決すべく活動。


千正組について

医療政策企画官を最後に44歳で厚労省を退官した千正康裕により2020年1月設立。2021年4月厚労省課長補佐だった西川貴清が参画。医療介護福祉分野を中心にコンサルティングを行うほか、民間からの政策提案手法について発信。代表はメディア出演や執筆を行うほか内閣府や環境省の有識者会議委員も務める。日本医療政策機構、日本製薬団体連合会、日本病院会等のセミナー登壇多数。

2024年04月22日

日本医療政策機構(HGPI)では、5月23日「難病の日」に、シンポジウム「患者・市民の視点から考えるこれからの難病対策」を開催いたします。

難病は数多ある医療政策課題の中でも、特に重要な課題の1つです。希少疾患と合わせて議論されることが多いですが、特に難病の場合はその発生機序が明らかでない事が多く、明確な治療法が確立されてない、また長期の療養が必要になるなど、患者の心身の負担が大きくなるとされています。日本では、指定難病とされる疾患は今日現在341に上り、患者数は100万人を超えるとされています。政府も1972年の難病対策要綱を皮切りに、「研究開発の推進」「医療提供体制の整備」「患者支援(主に医療費助成)」という形で難病対策を進めてきました。また1998年には、難病医療連絡協議会、難病支援センターが各都道府県に設置され、患者の生活環境の整備や就労支援など、福祉制度との連携も進んでいます。また介護保険制度においても難病を原因とする要介護への対応も可能となっています。2014年には「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が制定され、医療の推進をはじめ、社会環境の整備も含めた方向性を打ち出しています。

一方で、依然として難病対策の課題も様々な指摘がなされています。医療提供体制の面では、必要な情報が十分に行き届いていない情報格差や、診断までの時間が依然として長い状況(診断ラグ)、さらには医療の地域格差、小児医療から成人医療への連携などが挙げられます。また研究開発においては、各疾患に対する基礎的な研究のさらなる推進に向けたデータ収集体制の構築や、治療薬の開発に向けて患者ニーズに基づく研究の推進に向けた研究への患者参画(PPI: Patient and Public Involvement)などが期待されています。

本シンポジウムでは、これからの難病対策のあり方についてマルチステークホルダーによる議論を通じて、今後の論点を整理すると共に、それらを社会に広く発信することを目的としています。

 

【開催概要】

  • 日時:2024年5月23日(木)15:00-17:00(開場14:45)
  • 形式:ハイブリッド(対面・オンライン(Zoomウェビナー))※後日アーカイブ配信あり
  • 会場:グローバルビジネスハブ東京 フィールド >アクセス
    (〒100-0004 東京都千代田区大手町 1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ 3階)
  • 言語:日本語・英語(同時通訳あり)
  • 参加費:無料
  • 定員:会場50名程度(応募多数の場合、抽選)、ウェビナー1,000名
  • 主催:日本医療政策機構
  • 後援:一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会/特定非営利活動法人ASrid

※詳細は調整中となります。決まり次第随時当ウェブサイトにてご案内いたします。

2024年04月22日

日本医療政策機構(HGPI)医療情報の信頼プロジェクトでは、グローバル賢人会議「情報共創時代の健康・医療情報のあり方」報告書を公開しました。

近年の情報のデジタル化の波と、健康・医療情報が直接的に人々の健康を左右するという特徴を鑑み、医療関係者、行政、企業、患者・当事者リーダーに加え、哲学、宗教学、情報学などの有識者にお集まりいただき、国際的かつ専門分野横断的に健康・医療情報のあり方について、全2回の会合を行いました。

■第1回会合:健康・医療情報の正確性や信頼性

基調講演1
中山 健夫(京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻 健康管理学講座健康情報学 教授)
「情報共創時代の健康・医療情報のあり方」と題し、健康情報学の専門家である京都大学大学院の中山健夫氏より、情報のやり取りが多面的となっている現代において、治療の意思決定に必要なShared Decision Makingによるヘルスコミュニケーションの概念の重要性をもとにした「エビデンス」の本質に加え、今後の健康・医療を取巻く情報のあり方についてご講演いただきました。 

基調講演2
Garth Graham(YouTube ヘルスケア & パブリックヘルス ディレクター兼グローバルヘッド)
いまや数十億人規模で利用されるようになっている動画コンテンツYouTubeよりYouTubeヘルスケア&パブリックヘルス ディレクター兼グローバルヘッドのガース グラハム氏より、動画コンテンツの普及にともなうプラットフォーム運営会社としての課題や社会的責任、そして現在の取り組みについてもご紹介いただきました。

ディスカッション
新型コロナウイルス感染症のパンデミックを踏まえ「正確な健康・医療情報」に関する課題を発信者、受信者それぞれの視点から、さらには発信者と受信者の間にある溝を埋めるべく効果的な解決策についても議論が行われました。加えて、情報の信頼性と妥当性というテーマのもと、健康・医療情報と向き合う個人の考え方や社会のあり方、そして医療情報の特徴といった根幹の部分にまで議論は及び、社会的課題としての健康・医療情報の本質を検討することができました。

■第2回会合:健康・医療情報のあるべき伝え方・受け取り方

基調講演
尾身 茂
(公益財団法人 結核予防会 理事長)
新型コロナウイルス感染症拡大下における専門家としての立ち位置、国との対話と国民との対話のバランスなど実際のパンデミックのフェーズ毎に焦点をあててお話しいただきました。

ディスカッション
情報伝達の効果的な方法について、発信者が認識すべき健康・医療情報の特殊性や、情報発信における責任や注意点など、より具体的な方法が共有されました。なかでも、緊急時に正確な情報を迅速に発信することに対して、事前にメディアと国が協力体制を構築しておくことが今後必要になるなど、災害を始めとした危機的状況が多く発生する我が国ならではの議論があったことは特徴的でした。最後に、国民誰もが健康・医療情報に関わることが多い現代社会で、情報共創において求められる理念について議論が行われました。

 

全2回の議論を通して、健康・医療情報の在り方について、医学専門的な視点のみならず人間の本質を踏まえた上で検討すべき社会課題として議論することができました。会合での議論は、結論を出すことや課題解決に向けた提言を行うのではなく、多様な立場からの意見・視点を抽出・収集することを目的に行いました。本報告書もその考えに基づいて取りまとめていることから、今後、健康・医療情報について議論を行う際の参考としてぜひご活用ください。

 

【開催概要】

  • 第1回会合日時:2023年7月21日(金)14:00-17:30
  • 第2回会合日時:2023年10月25日(水)14:00-17:30
  • 会場:グーグル合同会社オフィス内イベント会場(東京都渋谷区)

 

会合メンバー(敬称略、五十音順・ご所属・肩書はご参画当時)

青木 伊知男(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構量子医科学研究所 上席研究員)
天野 慎介(一般社団法人 全国がん患者団体連合会 理事長)
石川 ひろの(帝京大学大学院 公衆衛生学研究科 教授)
市川 衛(メディカルジャーナリズム勉強会 代表)
猪又 竜(心臓病疾患 当事者/長野県ヘルプマークディレクター)
岩永 直子(医療記者 フリーランス)
大曲 貴夫(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 理事長特任補佐/国際感染症センター長・同科長/感染症内科医長 併任)
小川 真里子(東京歯科大学市川総合病院 産婦人科 准教授)
尾身 茂(公益財団法人 結核予防会 理事長)
北中 淳子(慶應義塾大学 文学部 人文社会学科(人間関係系) 教授)
忽那 賢志(大阪大学大学院医学系研究科 感染制御学 教授)
小林 圭吾(メンタルヘルス 当事者)
桜井 なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長)
澁谷 遊野(東京大学 空間情報科学研究センター 共同利用・共同研究部門 准教授)
宿野部 武志(一般社団法人ピーペック 代表理事)
鈴木 蘭美(モデルナ・ジャパン株式会社 代表取締役社長)
住田 朋久(慶應義塾大学大学院 社会学研究科 訪問研究員)
反田 篤志(マッキンゼー・アンド・カンパニー パートナー)
戸田 聡一郎(東北大学大学院 文学研究科 専門研究員)
仲條 亮子(グーグル合同会社 YouTube日本代表 マネジングディレクター)
中山 健夫(京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻 健康管理学講座健康情報学 教授)
古田 大輔(ジャーナリスト/日本ファクトチェックセンター編集長/メディコラボ代表)
松本 紹圭(産業僧/株式会社Interbeing 代表取締役/世界経済フォーラム Young Global Leader)
美代 賢吾(一般社団法人日本医療情報学会 理事・看護部会 部会長/国立研究開発法人国立国際医療研究センター医療情報基盤センター長)
本村 昌文(岡山大学 学術研究院ヘルスシステム統合科学学域 教授)
山田 恵子(埼玉県立大学 保健医療福祉学部 准教授/医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト(研究代表者))
吉村 健佑(千葉大学医学部附属病院 次世代医療構想センター長 特任教授/こびナビ幹事)
Garth Graham(YouTube ヘルスケア & パブリックヘルス ディレクター兼グローバルヘッド)

 

協賛企業・団体(五十音順)

グーグル合同会社
国立大学法人 政策研究大学院大学 グローバルヘルス・イノベーション政策プログラム
モデルナ・ジャパン株式会社

2024年04月19日

日本医療政策機構は、2024年4月4日に産官学民で考えるがん個別化医療の未来プロジェクト グローバル専門家会合「がんゲノム医療の公平な患者アクセスに向けた打ち手」を会場・オンラインのハイブリッド形式で開催いたしました。

現在、がん領域において、「がんゲノム医療」が一部の国ではすでに日常臨床の中で積極的に取り入れられており、将来的には患者個人のがん治療戦略を抜本的に変える可能性を秘めた医療として期待が高まっています。

本会合は、日英両国におけるがんゲノム医療を行うがん遺伝子パネル検査やその後の治療に関し公平な患者アクセスを確保しつつ、高度な医療システムを維持するという共通の課題、そして最新の取り組み等について、日本およびイギリスのステークホルダーを招待し、議論を実施いたしました。

本会合のパネルディスカッションにおいては、主な論点として以下のような点について議論が行われました。

  • 検査や治験への参加に関する地理的ハンディ、情報面での制約
  • 患者アクセスのボトルネック解消に向けた産官学民連携の在り方
  • 適切なタイミングで適切な検査・治療を受けることができるための、評価や制度設計の方策
  • 先進的な技術を普及させ、一般的な医療へとスケールアップさせていくための方策

 

【開催概要】

  • 日時:2024年4月4日(木)15:30-19:00 JST/7:30-11:00 GMT(開場: 15:00 JST/7:00 GMT)
  • 形式:ハイブリッド(対面・オンライン(Zoomウェビナー))
  • 会場:グローバルビジネスハブ東京 フィールド
    〒100-0004 東京都千代田区大手町 1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ 3階)
  • 言語:日本語・英語(同時通訳あり)
  • 参加費:無料
  • 主催:日本医療政策機構
  • 後援:駐日英国大使館
  • 協賛:アストラゼネカ株式会社、政策研究大学院大学 グローバルヘルス・イノベーション政策プログラム、株式会社フィリップス・ジャパン

 

【プログラム】(敬称略・順不同)

15:30-15:40 開会の辞

乗竹 亮治(日本医療政策機構 理事・事務局長/CEO)

15:40-16:00 基調講演1 日本のがんゲノム医療の取り組み
中釜 斉(国立研究開発法人国立がん研究センター 理事長)
16:00-16:20 基調講演2 イギリスのがんゲノム医療の取り組み
Dame Sue Hill(NHSイングランド 最高科学責任者 兼 NHS ゲノミクス担当上級責任者)
-休憩(10分)-
16:30-17:10 ラウンドテーブルディスカッション1
「検査と治験に関する患者アクセスの地域格差に向けた打ち手」

パネリスト
天野 慎介(一般社団法人 全国がん患者団体連合会 理事長/一般社団法人 グループ・ネクサス・ジャパン 理事長)
砂川 優(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座 主任教授)
迫井 正深(厚生労働省 医務技監)
Emma McCargow(Lead of the Cancer 2.0 programme at Genomics England)

モデレーター
鈴木 秀(日本医療政策機構 シニアアソシエイト)

17:10-17:50 ラウンドテーブルディスカッション2
「イノベーションとそれを支える財政と制度の在り方」

パネリスト
桜井 なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長)
中釜 斉(国立研究開発法人国立がん研究センター 理事長)
丸川 珠代(参議院議員/適切な遺伝医療を進めるための社会的環境の整備を目指す議員連盟会長代行)
Emma McCargow(Lead of the Cancer 2.0 programme at Genomics England)

モデレーター
坂元 晴香(日本医療政策機構 シニアマネージャー)

17:50-18:00 閉会の辞
Margaret Tongue(駐日英国大使館 経済担当 公使参事官)
18:00-19:00 ネットワーキングレセプション

 

2024年04月18日

日本医療政策機構 腎疾患対策推進プロジェクト、肥満症対策推進プロジェクト、循環器病対策推進プロジェクト合同で、「第2回 生活習慣病対策に関する意見交換会 北海道・東北地方開催」を開催いたしました。本会合は、地域・職域で一体となって横断的に介入・管理が求められる非感染性疾患(NCDs: Non-Communicable Diseases)・生活習慣病対策について、行政関係者の疾患理解を深め、地域の実態とその特性に即した生活習慣病対策の在り方を検討すると共に、政策の横展開を推進すべく、自治体同士のネットワーク構築を目的として開催いたしました。

会場には、北海道・東北・北陸地方から13の自治体(5県、7市、1町)の腎疾患対策、循環器病対策、糖尿病対策の担当者および域内の保健所長2名が参集し、腎疾患、循環器病、肥満症の専門家からの講演後、好事例共有や各自治体の課題・今後の展望について議論を行いました。

グループディスカッションの論点は以下の通りです。

論点1. 現行の行政による受診勧奨の限界がある中で対象者に対するより効果的な受診勧奨方法及びアプローチ方法にはどのようなものがあるか。
論点2. 都道府県と市区町村、保健所の役割及び、各自治体内での疾病横断連携のあり方はどうあるべきか。
論点3. 各地域における 循環器病対策/腎疾患対策/糖尿病対策の中で、新たに対策が期待される肥満症をどのように統合していけるか。

グループディスカッションや会合後に実施したレセプションでは、自治体同士の活発な意見交換や情報交換が行われました。

 

【開催概要】

  • 日時:2024年3月15日(金)13:00-17:30
  • 形式:仙台市内での対面開催
  • 対象:北海道・東北・北陸地方の各自治体の腎疾患、循環器病、糖尿病・肥満(肥満症を含む)の対策担当者等

 

【プログラム】(敬称略)

第一部 生活習慣病 個別疾患に関する最新情報

13:00-13:10 開会・開催趣旨説明

吉村 英里(日本医療政策機構 シニアマネージャー)

 13:10-13:50 講演 1「高齢化・多疾患罹患時代の循環器診療」

安田 聡(東北大学大学院 医学系研究科 循環器内科学分野 教授)

13:50-14:30 講演 2「肥満症」

石垣 泰(岩手医科大学医学部 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科分野 教授)

14:30-15:10 講演 3「腎疾患対策」

宮崎 真理子(東北大学大学院 医学系研究科 腎・膠原病・内分泌内科学分野 准教授)

15:10-15:20 休憩(10 分間)


第二部 グループディスカッション

15:20-16:55 行政官によるグループディスカッション
テーマ:「地方自治体における生活習慣病対策における教訓と課題、未来への展望」

好事例共有(順不同):秋田県(循環器)、宮城県(肥満)、仙台市(慢性腎臓病)

モデレーター:
坂元 晴香(日本医療政策機構 シニアマネージャー)
吉村 英里(日本医療政策機構 シニアマネージャー)

16:55-17:00 議論のまとめ・閉会

坂元 晴香(日本医療政策機構 シニアマネージャー)

17:00-18:00 レセプション・ネットワーキング

2024年04月17日

2024年1月19日(金)に開催した、日本医療政策機主催 オンラインセミナー「健康な地球へ向けて:国家保健医療システムにおける気候変動の緩和・適応と公衆衛生の統合戦略」が朝日新聞の「with Planet」に掲載されました。

本セミナーは、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」を目指した世界各国における取り組みの中で、特に政府主導の先進事例として、英国とフランスにおける国家の気候行動戦略に尽力される2名のゲストスピーカーをお招きし、保健医療システムにおける気候変動への緩和および適応に関する国家戦略についてそれぞれご紹介いただき、議論をしました。

本記事では、当機構のオンラインセミナーの内容を紹介しながら、両国の取組みについて国の気候変動対策に保健医療システムを統合し、多様なセクターを交えた対策を講じていることから、日本の指針となりうる事例として紹介しています。

当機構主催 オンラインセミナーの詳細はこちらをご覧ください。
朝日新聞「with Planet」の記事はこちらをご覧ください(日本語のみ)。

2024年04月16日

この度、日本医療政策機構では2024年度 日本財団助成金事業「知的障害を持つ生徒を対象とした心の健康増進に向けたスキルアッププログラム及び連携ネットワークの構築」を実施することとなりましたのでご報告いたします。

日本医療政策機構では、2020年度より、「こどもの健康」を重要な医療政策アジェンダの1つと位置づけ、こどもの健康プロジェクトを進めています。本プロジェクトでは、当事者をはじめとした国内外の当分野における産官学民のオピニオンリーダーや関係団体に広くお集まりいただき、アドバイザリーボードミーティングやヒアリング、専門家会合を開催すると共に、定量的なデータをもとに、こどもの健康課題の中でも、とりわけ心身の発達にとって重要かつ、社会経済的課題とも密接なメンタルヘルスについて引き続き焦点をあて、健康政策における現状の課題や論点を抽出し、その課題に対する解決の方向性を検討してまいりました。定量的な調査として、2021年度は小中学生への介入調査を、2022年度は未就学期のこどもを支える幼稚園教諭や保育士の先生方への介入調査を実施し、これまでの活動全体を踏まえ、2023年8月には、日本ストレスマネジメント学会と共同で、政策提言「子どものストレスマネジメントの社会実装に向けて」を公表しました。
提言の中にもあるように、引き続き、全てのこどもへの実践的なストレスマネジメントに関する教育機会の必要性について発信していくと共に、障害をもつこどもやその保護者へのメンタルヘルスに関する教育機会が、今後さらに提供される必要性についても着目をしています。

本事業では、日本財団の助成のもと、知的障害を持つこどもへのメンタルヘルス支援体制構築や心の不調の早期発見、早期介入の機会がさらに設けられるよう、知的障害をもつ高等部生を対象とした心の健康増進に向けたスキルアッププログラムの構築とプログラム実施による効果検証を実施します。そして効果検証による結果を基に、知的障害のこどものメンタルヘルス支援に必要な視点を政策提言として取りまとめ、政策立案者等に発信していくことで、こどもの健康増進に寄与することを目指しています。

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