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(開催報告)第56回定例朝食会:新春講演「2016年の新たなビジョン」

開催日2016-01-08

(開催報告)第56回定例朝食会:新春講演「2016年の新たなビジョン」



新春講演「2016年の新たなビジョン」




今回の朝食会では、新年恒例となっている当機構代表理事の黒川清によ「2016年の新たなビジョン」と題して開催いたしました。
多くの方にご参加いただき、当日は会場からも多くのコメントや提案が出されました。
終了後のアンケートでも「課題が明確になった」「毎年素晴らしい」といったコメントを数多く頂きました。

■スピーカー: 黒川 清 (日本医療政策機構 代表理事)


■日時: 2016年1月8日(金)
■場所: EGG JAPAN(
東京 新丸の内ビルディング)

~講演内容要旨~(敬称略)

■医療の持続可能性に向けた重要課題:医療の質、アクセス、コスト

まず、個人が自由に病院を選び、受診をできることが、日本の一番の課題だ。医療費の大部分が公的財源にもかかわらず、フリーアクセスというのは日本独特だ。既存の仕組みを変えることは大変だが、医師にはぜひゲートキーパーになって欲しいし、医師会はそれを進めてほしい。ポリファーマシー(多剤処方)の問題もある。患者一人ひとりに主治医が必要だ。
医師不足と言われているが、本当に足りないのか。病院の数が多すぎるのではないか。たとえば、一つの基幹病院に医師が出張してくる「オープンシステム」によって、24時間体制で医療を提供することは本当に実現できないのか。
また今後、認知症が大きな課題になるが、それと共に終末期についても考える必要がある。死に方について、延命だけではないチョイスが合っても良いのではないか。

■医師に必要とされる「5つのM」

20年前、東大での最終講義で、これからの医師には「5つのM」が必要だという話をした。
1つめは「Market」。市場からのプレッシャーに対応する必要がある。2つめは「Management」で、医師もマネジメント思考を持つべきというもの。3つめは「Molecular biology(分子生物学)」。ゲノム解析など、生命現象を分子レベルで探る研究が発展しており、今後は仮説による診断をより正確に実施することができるようになるだろう。4つめは「Media」。インターネットの発達により、あらゆる情報がオープンになる中、Mediaをどう使うかが重要になる。最後は「Moral」。情報が隠せない時代において、自身のモラルが更に問われる時代だ。社会に対して何をするのか、考える必要がある。


■グローバルマインドを持つ人材の育成を

世界の動向を見ると、企業もNGOも、一流大学もみなグローバル化している。日本では、医療だけではなく医療制度を海外に輸出するという動きがあるが、いずれも機器や技術輸出に留まるものがほとんどだ。そうではなく、例えば病院のマネジメント手法など、頭をうまく使った海外展開を目指してほしい。
またアイディアがあれば、役所に頼むのではなく、自分でやるべきだ。良いと思ったことをどんどんやれば、若い人はついて来る。3.11をきっかけに、日本人の採用・就職観も変わった。もう少し時間はかかるだろうが、新しいことをやる人が出てくる転機を迎えつつある。

各国の優秀なタレントも、グローバルで活躍している。一方、グローバルマインドで動ける人が少なすぎるのが日本。日本には良い部分もたくさんあるが、弱い部分を知ることが重要。電車を待つ人の整然とした列、自然と右・左で使い分けられているエスカレーターを見て、日本はすばらしいと言う外国の方は多い。確かに、周りを慮れる国民性というのは非常に素晴らしいものだが、実を言うとこれが日本人の弱さにも繋がっている。会議で、周りを気にしすぎるために、「異論を言わない」ことが大事だと考えてしまうのだ。必要もなく反論する必要はないが、自身の意見をもっと出すべきだ。周りの意見を聞き、そして自分の意見を主張することによって、多彩なチョイスが生まれるだろう。


 
 

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