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(プレスリリース)「働く女性の健康増進に関する調査結果」概要

日時2016-01-07

現在、政府は女性の活躍推進を成長戦略のひとつとして掲げており、産業界も女性役員・管理職への登用に関する行動計画を策定し、数値目標を設定するなど動きを活発化させています。
社会全体で働く女性の活躍を推進する機運が高まっている一方、女性が働き続けるための健康面への配慮は十分になされていません。

そこで日本医療政策機構では、東京大学大学院薬学系研究科・五十嵐中特任准教授らと研究を実施し、女性の健康増進が社会にもたらす影響について、社会経済的側面から検証しました。あわせて女性の活躍推進や健康増進に関する施策の国際比較により、日本の現状と課題を明らかにしました。

■注目すべき調査結果
・婦人科系疾患を抱える働く女性の年間の医療費支出と生産性損失を合計すると、少なくとも6.37兆円にのぼる。(医療費1.42兆円、生産性損失4.95兆円(*))
・月経随伴症状、乳がん、子宮頸がん、子宮内膜症といった婦人科系疾患の有無は、QOLおよび労働損失時間と概ね有意な関連が見られる
定期的に婦人科を受診している人の割合は2割にとどまる。また受診しない理由として、「健康なので行く必要がない」という回答が5割を超えた。
・他国と比較し、日本の婦人科がん検診の受診率は低い。受診率の高い国では、公的な予算による補助の他、かかりつけ医が定期的な受診を促す仕組みや、コール・リコールシステム(**)が整備されている。

■調査結果を受けての我々の見解

1、婦人科受診や検診受診率の向上

【行政(国や自治体)】
・婦人科がん検診を定期健康診断項目に含める
・産業保健スタッフに対し女性の健康に関するトレーニングを実施
・女性の健康に関する医師のアドバイスに対してインセンティブを付与する
【企業】
・婦人科健診を含めた健康診断の受診勧奨や補助

2、教育、普及啓発の充実

【行政(国や自治体)】
・自身の身体や、予防・治療法、妊娠・出産等を含めたキャリアプランニング等の教育の実施
・検診や婦人科受診の重要性、月経随伴症状の改善のためのオプション等についての正しい知識の提供
【企業】
・ホルモンの影響や婦人科疾患など、女性の身体の特徴や配慮すべき点、予防・治療法について、女性も男性も学べる機会の提供

3、健康経営の促進
【行政(国や自治体)】
・「健康経営」の評価指標に「女性の健康」も組み込む
・女性の健康増進が企業にどのような価値をもたらすかの効果測定に関する調査研究や、健康経営の好事例調査等の実施
【企業】
・「女性の健康」を踏まえた健康経営の実施

*今回の調査は、あくまで探索的なものであり、今後この調査研究の結果に基いた更なる調査の展開を望みます
**未受診者への個別勧奨と再勧奨を行う制度

■研究デザイン

研究1: 女性の健康増進が社会経済と少子化対策に及ぼす効果の測定
A)研究デザイン: 横断研究

B)研究対象:
国内のインターネット調査会社(株式会社Welby)の登録モニターより得られた 20~60 歳の女性労働者より、婦人科疾患・症状の有無により解析対象者を抽出
 ・既往無し×正規雇用者       1,500名
 ・乳がん×正規雇用者         200名
 ・子宮頸がん×正規雇用者      200名
 ・子宮内膜症×正規雇用者      200名

C)測定方法:
[曝露指標]
・女性関連疾患・症状の有無: 曝露あり/なし(疾患罹患のあり・なし)を質問
(対象疾患によっては重症度も測定)
[結果指標]
・QOL: EQ-5D-5L日本語版(EuroQOL group,2014)
・仕事のパフォーマンス: 活動性障害調査票(WPAI-AS)日本語版
・Menstrual Distress Questionnaire(MDQ:月経随伴症状に対する質問表)
[経済関連指標]
・世帯収入
・医療費の自己負担割合
・その他
[その他の指標]
・年齢、性別、結婚歴、子供の数、妊娠の希望、学歴、現病歴など
・いずれも自記式調査票より得る

D)倫理的配慮
研究1に関しては、研究目的を説明した上で、インフォームドコンセントが得られた者のみを対象とする。自記式調査票は通し番号で取り扱うなど、匿名性にも配慮した

研究2:女性の活躍推進や健康増進に関する施策の国際比較
A)研究デザイン: 文献研究およびインタビュー調査
 
B)研究概要:
女性の健康増進に関する施策について文献およびオープンデータ、有識者インタビューをもとに調査を実施。対象国は、日本、アメリカ、イギリス、オランダ、韓国、スウェーデンの6か国

C)研究項目:
女性の活躍推進法案や少子化対策の状況、ジェンダー教育の実施状況などの定性項目、妊娠・出産や検診受診率に関連する定量データ

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本調査結果の最終レポートは、2016年1月下旬に公表予定です。
調査についてのお問合せは以下までお願いいたします。
日本医療政策機構(小山田)|Mail: info@hgpi.org  Tel: 03-5511-8521(代表)


 

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