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(開催報告)第59回定例朝食会「技術革新と医療技術評価」

開催日2016-10-14

(開催報告)第59回定例朝食会「技術革新と医療技術評価」

今回の朝食会では、「技術改革と医療技術評価」をテーマとし、制度の内容、国際比較ならびに今後の政策などについて東京大学公共政策大学院客員教授・大西昭郎氏にお話しいただきました。


~講演内容要旨~

■技術革新と医療制度
1980~90年にかけて、バイオテクノロジー、エレクトロニクス、材料技術の基礎が作られ、バイオ遺伝子組み換えの技術も台頭してきた(2000年に最初のヒトゲノム解析が完了)。技術の進歩に伴い医療の制度面でもどのように新しい医療技術を取りいれていくかが検討され始めた。米国では医薬品と医療機器の技術の違いが着目され、安全性や有効性を評価する薬事制度の再検討が進み、1997年にFDA改革法が成立した。
また、診療報酬の面では、1983年から、治療の方法や手段ではなく診断群ごとに治療費が評価されるDRG(診断群分類)の導入が始まった。これにより、原則として、薬、機器や手技ごとの費用ではなく、診断された疾病コードごとに病院の報酬が定まり、支払いがなされることとなった。

■医薬品と医療機器の違い
医薬品と医療機器はその性質が大きく異なる。医薬品はそのもととなる物質を「発見」することで特許が認められるのに対し、医療機器は、「発明」がその対象であり、性能や効果等を発揮する機構やメカニズムの新規性があって初めて認められる。
このため、新しい医療機器が必ずしも新しい特許になるとは限らない。治験の実施においても大きな違いがある。
医薬品の場合、治験を中断しても通常の治療に戻ることが難しくない場合も多いが、植込み型の医療機器の場合などは、体内に埋め込んだ医療機器を取り出すことに伴うリスクがあることから治験の中止は容易ではない。


■日本の医療制度
日本では、2014年に「薬事法」が「薬機法」に改正されるまで、医薬品の規制の考え方を反映した薬事法のもとで医療機器、さらには再生医療製品の規制が運用されてきた。また、保険制度に関しては、診療報酬、薬価、材料価格(一部の医療機器はここに含まれる)や評価の方法を2年ごとに改訂することで運用されてきた。
ここにきて高齢化と技術革新により医療費の増額は今後10年で1.5倍になるとも言われており、医療技術評価の試行が検討されているほか、制度についていろいろな議論がなされている。

■医療評価への取り組み、将来展望
医療技術評価は、個別の技術や製品の有用性をどう評価するかという観点に加えて、医療制度の枠組みの中で、それら製品や技術の使い方などがもたらす医療の質の向上を評価することを検討していくことも重要ではないだろうか。医療の目標を「医療の質」というところに置き、これらが計測できるアウトカム指標などをとりいれた評価制度の取り組みの動きも欧米では始まっている。
今後の動向に期待したい。

 
 

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